2025.08.08
「令和7年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)」女子は、桜花学園高校(愛知県)が4年ぶり26回目の優勝を飾って幕を閉じた。岡山県での開催となった今大会では熱戦が続き、優勝校だけでなく、同校初の全国大会決勝進出を果たした日本航空北海道高校(北海道)、ベスト4の精華女子高校(福岡県)、岐阜女子高校(岐阜県)も存在感を示した。バスケットボールキングでは今大会で強烈な印象を残した5人を独自に選出。それぞれのプレーやコメントを振り返る。
文=田島早苗

万全なメンバーではない中、ゲームキャプテンとしてチームをけん引した濱田 [写真]=佐々木啓次
「絶対負けないという気持ちでやっていました」というポイントガードの濱田。ケガで不出場となったゲームキャプテンの金澤杏、チームキャプテンの棚倉七菜子(ともに3年)の代わりにゲームキャプテンを担い、チームを引っ張った。
「個人的には納得のいくゲームではなかったのですが、みんなにいろいろと助けてもらって優勝できたので良かったです」と、本人は優勝後も控えめなコメントだが、鋭いドライブを武器に悪い流れを断ち切るような得点など、ここぞの場面での活躍は見事。高校では初の日本一も「インターハイでは個人としてもチームとしてもすごく課題が見えたので、それを冬までに修正してレベルアップしたいです」と意気込んだ。

勝部はスケールの大きなオーランドなプレーが魅力 [写真]=佐々木啓次
5試合を戦った勝部は、初戦となる2回戦は12得点、3回戦で8得点、準々決勝は16得点、準決勝では21得点、決勝では19得点とコンスタントに得点を奪取。3回戦の大阪薫英女学院(大阪府)戦こそ1ケタ得点だったが、「チームにとって大事な時間帯に決め切っていた」と白慶花コーチが言うように、要所を締める働きが目を引いた。
すべての試合でエースとしての役割を果たした177センチのオールラウンダー。「外でプレーすることはいいと思うのですが、(マッチアップの)相手が小さいときにインサイドで強くプレーすることがまだ全然できていないので、体を当てるところを嫌がらず、もっと強くいきたいです」と今後の抱負を語った。

スラリと伸びた四肢を巧みに操り、シュートを決める庵原 [写真]=佐々木啓次
初戦(2回戦)の日本航空高校(山梨県)戦で26得点9リバウンドを記録。3連覇中の京都精華学園高校(京都府)を撃破した準々決勝では22得点10リバウンド、岐阜女子高校(岐阜県)との準決勝では21得点10リバウンド、決勝では28得点10リバウンドと、得点とリバウンドを荒稼ぎした。
決勝では「本人の考えでよりチャンスのあるセレクトをしたと思います」(矢倉直親コーチ)というように、前半に決まっていたミドルシュートからディフェンスの状況を見て後半はドライブを主体攻めるなど対応力の高さも発揮した。「ディフェンスからの速攻が自分たちのバスケット」と力強く発するエースは、銀メダル獲得の立役者となった。

イダヤットはモンスタースタッツを連発 [写真]=田島早苗
昨年のウインターカップでのベスト4入りに大きく貢献したセンター。6月の九州大会を制して第2シードで臨んだ今大会でも189センチの高さと相手のハードな当たりにも負けない強さを生かして安定的に得点を挙げ、リバウンドも量産した。
準々決勝までは1年生のブバ アイシャエジネと出場時間を分けたが、桜花学園高校(愛知)との準決勝では約35分出場し、57得点21リバウンドと圧巻の数字を残した。1年生のときにヒザの大ケガを負ったが、復帰後はプレーの幅も広げ、精華女子の速い展開にもしっかりと付いていく走力も兼ね備えた。最後は力尽きて準決勝で競り負けたものの、後に優勝する桜花学園を最も苦しめた選手と言えるだろう。

地元の岡山で、成長した姿を披露した三宅 [写真]=田島早苗
「東海大会が終わってから3ポイントシュートがないと戦えないと分かっていたので毎日打ち続けました」という三宅。大会を通して、苦しい場面でのシュートによりチームの窮地を幾度となく救った。
絶対的司令塔の小松美羽(3年)のケガによる離脱など厳しい状況の中、三宅にかかる負担は大きかった。それでもオフェンスだけでなく、チームのモットーであるディフェンスでも存在感を発揮。インターハイ開催地・岡山県出身で、多くの声援を背に戦い抜いた。「昨年から試合に出させてもらっているので勝負どころは絶対自分がやらないといけない」という岐阜女子のリーダーは、夏の悔しさを糧に冬の頂点を目指す。
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