2025.08.19

Wリーグ初参戦のSMBC TOKYO SOLUA…気づきの多いサマーキャンプを経てチーム力アップを図る

Wリーグサマーキャンプに参加したSMBC[写真]=W LEAGUE
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 第27回大会(2025−26シーズン)より Wリーグに参戦する SMBC TOKYO SOLUAWリーグは昨シーズンから『プレミアリーグ』と『フューチャーリーグ』との2部制となったため、1年目のSMBCは『フューチャーリーグ』に加入し、10月からの約半年間、プレミアリーグ昇格を目指して戦うこととなった。

 チームは目下、10月18日のシーズン開幕に向けて強化を進めているところで、7月19日から21日の期間には石川県金沢市にて行われた「能登半島地震復興支援 Wリーグサマーキャンプ 2025 in いしかわ」に出場。Wリーグや社会人チームが一堂に会するキャンプで3試合を行った。

 サマーキャンプでの成績は以下のとおり。

・対新潟アルビレックスBBラビッツ(フューチャーリーグ)/67−78
・対ENEOSサンフラワーズ(プレミアリーグ)/51−55
・対ミツウロコ(社会人バスケットボール連盟)/49−93

 3試合ともに敗れはしたものの、2戦目のENEOS戦では第1クォーターで15点のビハインドを負いながら、第2クォーター以降に追随するなど粘りのプレーも披露。これには指揮を執る今野駿ヘッドコーチも、「4月から始動し、4〜6月は徹底して体作りをしてきました。昨年、実業団チームの全国大会で当たり負けというか、(フィジカル面の影響で)シュートが入らないといったことを身をもって体験しましたし、ケガにもつながることなので。そうしたトレーニングの成果やほかにも練習で積み重ねてきたことは出せたのかなと思います」と、手応えを語った。

ベンチから指示を送る今野HC[写真]=W LEAGUE

 いよいよWリーグに参戦ということでこれまでと比べて練習量も増えたというSMBCは、女性アスリートの「仕事」と「競技」の両立のキャリアモデル確立を目指している。選手は全員、SMBC(関連会社含む)で働いており、業務を終えたあとに練習へと向かう。したがって限られた時間の中で練習に励んでいるため、「仕事をしながらバスケットをすることは大変なことだと思いますが、私自身も含めてチャレンジャーとして、ひたむきに一つ一つやっていきたいという意気込みがあります。環境は(他チームとは)違いますが、やれることはあるだろうと思っていて、食事の面や体のケアなども含めて、会社のおかげで準備はできていると思います」と、今野HCは言う。

 ルーキーの島村きららも「仕事とバスケットの両立ということで私たちはやっていて、どちらも手を抜かないように頑張っています」と、コメント。加えて「Wリーグはあこがれていた世界なので、そこでバスケットができることもそうですが、仕事ができることも私自身メリットがあると感じています。バスケットの先につながるのが仕事だと思っているので、どちらも力入れてやれるのがSMBCというチームだと感じています」とも語った。

 Wリーグでは1日のほとんどをバスケットに費やすことのできるチームも多いため、他チームと比べればバスケットに使う時間は少ない方だ。ただ、仕事とバスケットを両立することで「時間の使い方ですね。限られた時間の中で効率よく何をすべきか考えながら行動すること。休息を取るためにも何時の電車に乗って帰宅するとか、それならその前に体のケアを何分前にしてとか、そういうことは分刻みでやっていると思います」と、指揮官はそのメリットを教えてくれた。

 もちろん、東京羽田ヴィッキーズから移籍で加入した穴澤冴以外、選手たちにとっては初のWリーグ。すべてがはじめてのことばかりで、なおかつ「見本がないので、どうやったらいいのかというのは探り探りでやっている」(今野HC)状態ではある。しかし、女子日本代表やENEOSでアシスタントコーチを歴任した今野HCはもとより、長きにわたって女子日本代表とENEOSでマネジャーを務めてきた成井千夏マネジャーに日本代表に携わってきたトレーナー陣と、経験あるスタッフたちがそろい、そうしたスタッフたちが時にアドバイスをしながら、選手とスタッフとが目標に向かって日々取り組んでいる。

 目標は最速最短でのプレミアリーグ昇格。だが、それには「まだ課題はあります。まずは一つずつ課題をクリアしていき、みんなの良さを出せるように」。そう語った今野HC自身も指揮官としては初めてのため、「日々チャレンジです」と気持ちを新たにする。

 主軸を担う島村も、サマーキャンプを通して「相手チームは背が高く、フィジカルも強いというのは理解していましたが、リバウンドやルーズボールのところ。特に私たちは身長がない分、下のボールを取り切らないといけないのですが、そこがまだまだ足りないと思いました」と、肌で感じたものや得た課題は多かったようだ。

チームの主軸を担う島村[写真]=W LEAGUE

「課題を洗い出しつつも優先順位決めて、私自身も含めて選手も場数をもっと踏んでいきたいと思っています」(今野HC)

 クリアすべき課題や修正点はまだまだある。だが地に足をしっかり付け、SMBCは10月の開幕に向けて一歩ずつ前に進んでいく。

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