2025.05.18
爪痕を残したB1昇格初年度から一転、昨シーズンは故障者の発生が大きく影を落とし、11連敗を喫するなど苦しんだ結果、西地区7位でフィニッシュ。今シーズンはその借りを返すべく、激しさを増すチャンピオンシップ争いに割って入りたいところだ。
新加入選手が金丸晃輔1人だった昨シーズンと比べると、このオフの補強は積極的だった。特に期待値が高いのは、三遠ネオフェニックスの2シーズン連続CS出場に大きく貢献したデイビッド・ダジンスキー。外国籍選手でありながら、スタッツに表れないプレーに全力を注ぐ献身性は、宮永雄太ヘッドコーチが好むプレースタイルだ。内尾聡理にも、ディフェンス面での貢献が求められている。
一方で、阿部諒は得点力に期待がかかる。仙台89ERS時代は1試合平均14.6得点をマーク。金丸や角田太輝らと並び立つと、どの相手にも外角シュートの脅威を与えることができる。アシストも多く、レイナルド・ガルシアを起点とした佐賀のシステムにフィットすれば、多くの得点シーンを演出するだろう。
ホームでの勝率が一昨シーズンよりも下がり、9勝21敗と大きく負け越したことは痛恨だった。B1で9位という入場者数は、地域人口を考えると素晴らしい成果であり、ファンの期待の表れ。それに応えるためにも、今シーズンはホームでいかに白星を重ねられるかという点に意識を傾けなければならない。

クラブの生え抜き、井上が今季のキャプテン [写真]=B.LEAGUE
地域リーグから始まったクラブ創設時を知る唯一の選手であり、必然的に8シーズン目という在籍歴も最長。B3・B2時代は主にベンチスタートだったが、B1昇格後の2シーズンはスターターに固定され、1試合平均得点はB2時代よりもアップしている。トライアウトでの入団からB3参入とその後の2度の昇格を味わい、クラブとともに成長してきた生え抜きとして、勝利に導く決意は誰よりも強いはずだ。今シーズンはキャプテンも任され、そのリーダーシップに大いに期待したい。
文=吉川哲彦
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