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ケガを乗り越えA東京でつかんだ復活の舞台…マイケル・オウが明かす古巣への思いと覚悟

新天地で活躍を誓うマイケル・オウ [写真]=B.LEAGUE
バスケットボールキング編集部

 第4クォーター、相手のシュートを豪快に叩き落としたブロックショット。TOYOTA ARENA TOKYOのコートに、背番号35の雄たけびが響いた。「あのブロックを見て、自分でも『まだできるな』と確信できました」。試合後、マイケル・オウは充実感に満ちた表情でそう振り返った。

「2カ月前に千葉ジェッツでケガをして、人生が変わってしまったように感じました。自分自身に少し失望もしました」。12月末に負った左ヒザのケガにより、インジュアリーリスト(IL)入り。大好きなバスケットボールから離れることを余儀なくされ、精神的にも苦しい時期を過ごした。それでも「never give up(絶対に諦めない)。今日までずっと戦い続けてきた」と自身を奮い立たせ、地道なリハビリを乗り越えてきた。

 そんな彼に転機が訪れたのは3月6日。ライアン・ロシターチェイス・フィーラーら、インサイドの要が戦線を離脱するという緊急事態に陥ったアルバルク東京が、オウを期限付移籍で獲得したのだ。「再びハイレベルなバスケットボールができるなんて、本当に信じられない。素晴らしい気分です」。A東京が与えてくれたチャンスに、オウは深い感謝の意を示した。

ホームのTATでA東京移籍後初得点を記録 [写真]=B.LEAGUE

 3月11日のアルティーリ千葉戦は、彼にとってA東京でのホームデビュー戦だ。約12分間の出場で6得点2リバウンド1ブロック。デイニス・アドマイティスヘッドコーチも「非常にいいインパクトをもたらしてくれました。彼にはサイズといい手がある。ブロックやスティールだけでなく、相手に別の判断を強いるような素晴らしい仕事をしてくれました」と、そのディフェンス力を高く評価する。

 もちろん、新天地でのシステムへの適応は簡単ではない。「A東京のプレーブックには多くのオフェンスプレーがありますが、まだ10か15くらいしか覚えられていません」。ベンチにいる間も、同じポジションのブランドン・デイヴィスマーカス・フォスターらに熱心に質問を投げかけている。

 シーズン途中の移籍、それも同地区のライバルチームへの加入。愛着のある古巣・千葉Jへの思いを聞かれると、少し複雑な表情を浮かべながらも、プロとしての強い覚悟を口にした。

「やはり『やっつけたい』という気持ちはあります。千葉Jのチームメートのことは今でも大好きですし、移籍が決まったときには富樫勇樹選手から『良かったね』とメッセージをもらい、渡邊雄太選手からはわざわざ電話がかかってきました。本当に素晴らしい関係を築けていたと思います。でも、ビジネスはビジネス。今はA東京を代表して戦っています。もしプレーオフで対戦して勝つことができればうれしいです」

 初めて足を踏み入れた真新しいホームアリーナについて聞かれると、「全部気に入っています。新しくて、何もかも新鮮な感じ。アウェーゲームでここに来たことはあったけど、バックヤードには入ったことがなかったですからね。『すごくいい、すごくいい』って思いました。ここは新しくて、何もかもが広い」と笑顔を見せた。

 試合や練習後に提供される食事を「ヘルシーで『美味しい』。『素晴らしいですね』」と日本語で絶賛する愛嬌たっぷりの素顔。ひとたびコートに立てば、気迫あふれるプレーでゴール下を死守する闘将。確かな覚悟を持ってA東京にやってきたマイケル・オウは、満身創痍のチームを救う大きな希望となるかもしれない。

文=入江美紀雄

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