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レブロンが『TIME』選出のスポーツ界最重要人物に…現代のアスリート像を変えた男の影響力

40歳を超えてもなお第一線で活躍するレブロン[写真]=Getty Images

■競技もビジネスも文化も――レブロンが頂点に立つ理由

 レブロン・ジェームズNBAロサンゼルス・レイカーズ)が、世界的ニュース誌『TIME』の新企画「TIME100 Sports 2026」において、象徴的な存在として表紙を飾った。『TIME』は今回、スポーツ界で最も影響力のある100人を初めて選出。レブロンは、その中でも“Athlete of the century”として、そのトップの座に選出された。

『TIME』は、レブロンの並外れた“影響力”を多角的に分析している。選手としてのマイルストーンはもちろんのこと、特集ではレブロンのメディア戦略や、事業家としての拡張性にもスポットライトが当てられた。スティーブ・ナッシュは「彼はNBA史上最高のキャリアを送ってきた。ピークと継続性を合わせれば、近づける者はいない」と語り、南カリフォルニア大学のトッド・ボイド教授も「レブロンはアメリカ史上最も重要なアスリートの一人であり、21世紀で最も重要なアメリカ人の一人と言っても大げさではない」と評している。さらに、“投資の神様”として崇められるウォーレン・バフェットも、「彼は賢い男だ。コート上でも賢いし、コート外でも賢い」とその価値を認めた。競技、文化、経済という異なる文脈から、これほど幅広い評価が集まる選手は稀だろう。

 そして、この男はスポーツ選手が直面してきた“老い方”さえ変えてしまった。それを象徴するのが、残りのキャリアに対するレブロン自身の考え方である。41歳となった今も、現役続行の条件を“年齢”ではなく、“情熱”に置いている。

「心次第だ。心が向かう場所に、体はついてくる。試合日にアリーナへ5時間前に入り、準備を始めることを愛せなくなったら、練習の2時間半前に来ることを愛せなくなったら、そのときはもう終わりだと分かる。なぜなら、そのとき自分はこのゲームをごまかし始めることになるからだ」

 この発言が示しているのは、引退時期の曖昧さではない。むしろ、レブロンが今なお競技の中心に立ち続けているのは、肉体より先に心が離れていないからなのだ。

■批判の先にあったもの…レブロンが貫いたキャリア哲学

[写真]=Getty Images


 特集では、キャリアの転換点となった『The Decision』にも触れられている。クリーブランドを離れ、マイアミ・ヒートへ向かうことを宣言したあのテレビ特番は、当時「自己中心的だ」と激しく批判された。現在のレブロンは、その出来事を「とんでもなく大げさだったと分かっている」と振り返る。

 だが、レブロンはその決断自体を後悔してはいない。マジック・ジョンソンにはカリーム・アブドゥル・ジャバーが、マイケル・ジョーダンにはスコッティ・ピッペンやフィル・ジャクソンがいたことを引き合いに出し、バスケットボールがチームで勝利を目指す競技であることを強調した。

「物語を変えることに抵抗はなかった。フランチャイズ(キャバリアーズ)が、自分のキャリアが向かっている軌道と同じ方向に進んでいるとは思えなかった。もっと欲しかった。最高レベルで勝ちたかったんだ。俺はテニスをしているわけでも、ゴルフをしているわけでもない。これはチームとして一緒にやらなければならないことなんだ」

 この発言の真意は、単なる移籍の正当化にとどまらない。アスリートが、自らのキャリアを自分で編集する権利、いわゆる“プレーヤー・エンパワーメント”の思想を、レブロンはかつてない規模で可視化したのだ。今では当たり前のように語られる選手主導の時代は、彼の存在抜きには成立しなかったと言っても過言ではない。

■ブロニーとの共演、そして“史上最高”への揺るがぬ自負

[写真]=Getty Images


 家族の物語もまた、現在のレブロンを映し出している。ブロニーと同じNBAのコートに立ち、親子で得点を演出した初の父子デュオになったことについて、レブロンは「バスケットボールでやってきたあらゆることの中で、それが自分にとって最高の達成だ」と語った。

 一方で、レブロンは栄光の裏側も隠そうとはしない。「このゲームで史上最高になりたいと思ったからこそ、自分がなりたい完璧な夫、完璧な父親ではいられなかった」。その言葉は、成功の自己肯定であると同時に、失われた時間への自覚でもある。

 そんなレブロンの歩みは、常に論争と隣り合わせだった。インタビューの終盤で語ったGOAT論争への返答も、いかにもキングらしかった。

「俺は自分より誰かを上に置くつもりはない」

 そのうえで、マイケル・ジョーダンも、コービー・ブライアントも、マジック・ジョンソンも、ラリー・バードも同じ感覚だろうと語り、こう結んでいる。

「もしゼネラルマネージャーがいて、ベースライン上に並んだ俺たち全員を見て、全体1位指名権を持っていたとしたら、俺を選ばないのは難しいだろうな」

 現代において、スポーツは単に勝敗を争う競技以上の存在になった。『TIME』が今回レブロンに送った賛辞は、偉大な選手への表彰にとどまらない。現代アスリートという概念そのものを書き換えた人物として、彼の存在を再定義するものでもあった。

文=Meiji

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