2021.05.31
『勝手にオレのチーム愛を聞いてくれ!』、略して『勝手にオレ愛』は…バスケキング編集部とバスケコメンテーター井口基史がマイチームを愛する業界人を独断と偏見で選び、チーム愛を徹底的に聞くという、誰が喜ぶかわからないが愛を思う存分語れるという大変名誉あるインタビューです。
我こそはというオレ愛に自信のある業界の方自薦他薦は問いません。有名かどうかより愛の深さを問う企画です。アピールをぜひよろしくお願いいたします。「ファン・ブースターの皆さまへ」チーム愛優先ですので、特定チーム複数回やゼロの可能性をご了承下さい…
構成・文=井口基史
好評企画の第4回「#勝手にオレ愛」は俳優として活動する辻大地さんより、川崎愛をボケなしで演じていただきます!
■プロフィール
辻大地(つじ だいち)1985年5月4日生/大阪府出身/俳優・声優・ナレーター・MC
中学から始めたバスケは、大阪の古豪、東住吉工業高校でキャプテンを務めたほどの腕前に。立命館大学でもプレーを続け、社会人の実業団では全国大会にも出場した経験を持つ。その後29歳で脱サラし芸能を志し、バスケット以外のフィールドでも活躍中。弟である辻直人選手をバスケに引き込んだという、日本バスケ界にとって大きな功績をファミリー内でもたらした、若き功労者。バスケ界を盛り上げるため、役者だけでなくナレーター・MCとしてコート外からスリーを放つ。
・Twitterアカウント:@2g_daichi ・インスタアカウント:@daichi_tsuji_0504
―まずは辻ブラザーズのバスケとの出会いを教えてください。
大地 バスケを始めてもう26年になりますが、好きになったきっかけは小学校の時に転入してきたミニバス経験者の上級生の影響でした。遊びで教えてもらいバスケを好きになった自分に、母がスラムダンクの単行本を買ってくれたこともあり、のめり込むきっかけになりました。初めて買ってくれたスラムダンクなのになぜか途中の5巻という……そこは今も謎なんですけどね! そして中学から本格的にバスケに打ち込み、公園のリングで練習していた時にリバウンドを拾ってくれていた弟もミニバスを始めました。日本代表のシューターにあれだけリバウンドさせたのは自分くらいだと思います。今は自分がリバウンドしてあげる立場に逆転していますが!
―兄弟でバスケに取り組んできたんですね。
大地 高校は当時連続インターハイ出場記録を誇る東住吉工業高に進み、1年生で能代カップにも連れていってもらいました。チャンスをもらってハーフコートからブザービターを入れたことを今も覚えています。3年生にはサトタクさんこと佐藤託矢さん(信州ブレイブウォリアーズ)もいて、大きな影響をいただいた方です。ただ自分がキャプテンの代で、11年連続出場記録が途絶えてしまい、父母の方々にお詫びで頭を下げたのを覚えていますが、正直思い出せないことも多いくらい、悔しい思いもしましたね〜。立命館大学でもプレーを続け、関西リーグ得点ランキングに名前が出ることもありましたが、その後プレータイムがもらえず、バスケを嫌いになりかけたことも正直あります。ただあの学生時代のバスケを通した経験が、芸能の道に進んでからも生かされていると思っています。大学3年次に洛南高校の3年だった弟と、青山学院大進学前に1オン1をしたことも覚えています。大学生でしたので、17勝3敗で兄貴として勝ったのですが、弟は当時も今も「素直に聞く」「バスケへの貪欲さ」「費やす努力」という部分は素晴らしく、学ばせてもらったと思います。名門である青山学院大学の道を切り開いたのも彼自身でしたし、きっとバスケで成功するだろうと当時から感じていました。
―バスケに向き合い続けるには大変な時期もありますね。
大地 家族の中やこれまでの人生でバスケが大きな存在であることは当たり前ですし、芸能の道に進む決断をした時に、背中を押してくれたのもバスケの仲間でした。いつもいろんな節目にバスケがいたことは間違いないですね。川崎を好きになったことも、当たり前ですが弟が入団したのがきっかけです。
―当時と今の川崎ブレイブサンダースの環境はどう感じてらっしゃいますか。
大地 当時は現在GMでいらっしゃる北卓也さんがヘッドコーチで、会場は1200人くらいで多いくらいの観客しかいない時代でした。地元関西ではパナソニックが廃部になるなど、バスケ界は絶好調とは言えない時期でしたが、コート上のバスケが大きく変わったとは思わないです。それよりかリーグ・チーム・選手たちが一緒になって環境を変えてきたことで、今の世界があると思います。特に今の川崎は、バスケに元々興味がなかっただろうなと思われる方々にもたくさん見てもらっていると感じていますよね。昔は団体で連れてこられていただろうという、バスケ部の子どもたちが多かった気がしますが、今は川崎というチームを好きなファミリーが子どもたちを一緒に連れてきてくれている印象ですよね!
―特に実業団色が強かった川崎には大きな変化だったんですね。
大地 先輩たちが作ってくれた環境を、今の選手たちがさらに進化させているのを見られるのはうれしいですよね。自分たちの時代はbjリーグがありましたが、NBLにはごく数名の選手しか入団できない狭き門でしたので、この環境は本当に羨ましいです。
―川崎の試合が辻ファミリーに与える影響を教えてください。
大地 川崎の試合はもちろん60試合+天皇杯とすべてチェックしています! ファンであり、家族目線でも見ていますので、負けたら家族が不機嫌になるのは間違いないです…きっと家族でチームを応援しているブースターあるあるだと思うので、家族円満のためにも「選手の皆さんホンマ頼むで!」って感じですわ〜。
―家族というかチームの一員のつもりで応援していると聞いていますが。
大地 そのとおりですね! ホンマに申し訳ないですけど「ニックが個人練習するんやったらいつでも呼んでくれ!リバウンドするから!」と思っています。藤井祐真選手にはシュートフォームをバッチリ修正させてもらえる機会があったので、彼の現在の活躍は完全に自分のおかげだと100パーセント信じています。絶対本人覚えてないと思いますけどね。
―大地さんもだいぶん重症です〜。過去の川崎ベストゲームをあげるとしたら、あの試合でいいのでしょうか?
大地 待っていましたよ、この質問! 井口さん、2016−17シーズンのBリーグファイナル「栃木vs川崎」や2019-20天皇杯ファイナル「渋谷vs川崎」とかをあげるとしたら、申し訳ないけど川崎素人と呼ばせてもらいますよ!
― うっ!川崎素人ですみません…
大地 川崎ファン以外にも知ってほしい、心が揺さぶられたBリーグが始まる直前の最後のNBLファイナル、2015-16 NBLファイナル「アイシンシーホース三河vs東芝ブレイブサンダース神奈川」が自分の中でのベストゲームです。当時は5戦3勝方式でしたが、川崎はGame1、Game2を落とし後がもうない状態から、奇跡の3連勝で逆転優勝を果たしたんです! このファイナルはコロナの中で思いどおりに過ごせない今こそ見てほしいですし、何かバスケで元気になりたいという方には強くお勧めしたいです! 正直なところ、Game3はなんとか一矢報いてほしい思いで獲れた1勝目でした。ところがGame4はあれよあれよという間に2勝2敗に並ぶことに成功。そして最期のGame5はもはやお祭り状態でした。こういう逆転の歴史があるってことをBリーグファンにはもちろん、今の選手たち、コーチ、チームスタッフの皆さんにも、こういうことが実現できるんだというのを見てほしいです!! 三河ファンの皆様には嫌われるかもしれないですけどね…(笑)
それでも新しく川崎ファンになってくれた方にもこれを一度見てもらい、これと同じ気持ちでポストシーズンへ突き進みましょう!
― うっっ!川崎素人で申し訳ございませんでした!
(後編に続く)
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