2021.09.08
Bリーグ開幕までいよいよ1カ月を切った。この日を待ちわびたファン・ブースターは各クラブの状況に気をもんでいることだろう。そこで今シーズンも開幕を前にバスケットボールコメンテーター井口基史氏による各クラブのレポートをお送りしたい。
文=井口基史
ただしその移籍もすべてがネガティブではなく、見方を変えるとロスターがシェイプされた印象にもなる。バスケは40分しか試合時間はなく、それぞれ違う仕事のできるタレントを持つロスター全員に、平等にチャンスを与えることは困難で、新シーズンは一人ひとりの役割がよりクリアになりそうな印象。
その分それぞれの仕事に対する責任は増しそうだし、なにより誰誰の移籍で負けたと言われるのは絶対に嫌なはず。日本代表活動が長かった富樫勇樹選手、ギャビン・エドワーズ選手には心と身体をフレッシュに戻す時間が必要なはずだが、それ以外のメンバーがさらにハングリーになったチャンピオンを見せてくれるかもしれない。
誰にも聞かれていないが、次期日本代表HC候補を挙げるなら大野篤史HCに日本を率いてほしいと個人的には思っています……周りはBリーグの同世代HC陣にアシスタントとして固めてもらって……アシスタントは4人でも5人でもいいと思っています……失礼しました。
いくぶんスリムになったがまだロスターは12名を超えており、試合より練習がキツイと評されるA東京のロスター争いは今シーズンも健在だろう。数えてみたらBリーグチャンピオンの味を知るのは5選手と、それだけこのクラブに居続けることは難しいのだろうと思い知らされた。お台場での1万人規模のアリーナ構想も報道されており、プレミアリーグ(新B1)への階段へエンジンふかせて登り始めるシーズンの開始だ。
宇都宮戦(ロシター選手)、千葉戦(サイズ選手)、名古屋戦(安藤周人選手、須田選手)、島根戦(安藤誓哉選手)、大阪戦(竹内譲次選手)、三遠戦(津山選手)と見どころ満載のシーズンを一番エンジョイできるのはアルバルカーズではないか!
ただこれまでSR渋谷はロスターが12名を超えており、毎節誰かがベンチ入りするかはチームもブースターも悩んでいただろう。特別指定加入の時期になるとその悩みは増したはずで、他チームから請われた結果の移籍であれば受け止めるしかない。
伊佐勤HCがCSでも貫き通した『ハチ公』、『スクランブル交差点』に続く渋谷名物『タイムシェア』が今シーズンも継続なのかはプレシーズンから楽しみなところであり、開幕スタメン予想はさらに難しさを増す。オリンピック本番と直前の強化試合を通してベンドラメ礼生選手が見せてくれたパフォーマンスは、他チームのブースターからさらにリスペクトを集めたはず。Bリーグでの躍進はもちろんだが、彼がけん引する天皇杯の一発勝負トーナメントで、再びSR渋谷がタイトルを獲ったとしても、驚いてはいけないだろう。
また青木保憲選手(広島へ移籍)も広島へ加入したのをみると、広島ホームで川崎ファンの皆さんをお見掛けする機会が増えても不思議ではない……広島のMD担当の皆様、ぜひとどろきでも広島グッズを売っていただきたく、ご準備のほど何卒宜しくお願いいたしますと思ったら、川崎vs広島は4月16・17日の(広島サンプラザホール)だけでした。
帰化選手であるニック・ファジーカス選手を生かしたスリービッグのラインナップに注目が集まったが、鎌田裕也選手の川崎カムバックを見ると、スリービッグか機能しないケースでも鎌田選手の起用によりラインナップのオプションが増えたとみえ、コーチングスタッフのさまざまなシチュエーションを想定した工夫を感じるリクルートだ。
また長く川崎を応援する方々の辻選手移籍の精神的ダメージを抑える効果もあったとみていいだろう。永吉佑也選手(川崎→京都ハンナリーズ)→鎌田選手など歴代、川崎のブルーワーカーの系譜をみても、DeNAになっても変わらないものもあるなぁとか言ってみたりする。
注目の遺恨試合(笑)はAWAY 1月26日(水)広島サンプラザホール、HOME 4月20日(水)のトッケイセキュリティ平塚とビーコルブースターがどのようにホームで迎えるのかは楽しみすぎる。個人的には青木勇人HCの横浜復帰はうれしいニュースで、横浜のカルチャー作りに長く携わってほしい。なにせビーコルのアンダーカテゴリーは海賊だけに宝の山で、宝の持ち腐れにせず刈り取れるトップチームになる使命がある。
ただピンチの時に短い時間でチームを救ってくれた竹田謙選手(今シーズンよりGM就任)はもうベンチにはおらず、困った時に頼れるのは自分の力か、隣に座るチームメートだけだ。横浜には横浜エクセレンス(B3)が東京から転籍してきたばかり。さらにはベイスターズ(プロ野球)、横浜F・マリノス(J1)、横浜FC(J1)、Y.S.C.C横浜(J3)とプロスポーツ大激戦区で、この街でリスペクトを得るにはコート内外で多くのチャレンジが必要だ。
川村卓也選手(B2西宮在籍)→アキ・チェンバース選手(群馬へ移籍)と続いた「ビーコルは俺だ!」となれる選手の登場も、この街で成功するには必要かもしれない。
それでもレジェンド達が帰ってきてくれた。昨シーズンの記事(【井口基史のスカウティングレポート】2020-21シーズン・各チームの現在地は?(東地区))でも触れさせていただいたが、日本最古のプロバスケクラブ再建の仕事は、ふたたび新潟を知る男たちに託された。
観客席までルーズボールを飛び出していく姿で何度も朱鷺メッセを揺らした、ボンバーの異名を持つ平岡富士貴氏がヘッドコーチとして新潟復帰。先輩たちが創った「新潟の選手はこうあるべき」という姿を、プレーと背中で表現した最初の選手といえる藤原隆充ACも新潟へ戻った。しかも二人はB2群馬をB1昇格へ導いた直後であり、古巣の危機を見つめ、招聘に応えた形だろう。
ブースターは忘れてはいないはずだが、2018-19シーズンに新潟は中地区優勝を果たしているが、その時を知るのは池田雄一選手ただ一人。「もう新陳代謝は終えたんだ」と思うしかない。バスケ界に地域密着型クラブという言葉を生み、プロバスケの歴史を作った新潟が、再びリスペクトされるチームへ生まれ変わるであろう過程を、オールドファンにはもう一度見届けてほしい。
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