2023.09.12
琉球ゴールデンキングスの田代直希がプレーヤーとしてファイナルの舞台に帰ってきた。
「琉球ゴールデンキングスがファイナルを目指して、何度も何度もファイナルの前で敗れるシーズンを過ごしてきました。ファイナルの舞台に立てるのは特別なこと。コートに立てたのは僕のキャリアにとって大切というか、特別なシーンになりました」
琉球としては2年連続の大舞台となった「日本生命 B.LEAGUE FINALS 2022-23」。東地区1位の千葉ジェッツに挑んだ5月27日の第1戦はダブルオーバータイムにもつれ込む大激闘を制し、Bリーグ初優勝に王手をかけた。
岸本隆一や今村佳太をはじめ多くのメンバーが昨シーズンもファイナルに出場したが、田代はベンチからチームを見守ることしかできなかった。それは2021年11月に左膝を負傷し、全治10カ月と診断されたからだ。「人生を賭けた挑戦」とコメントするほどの大ケガから復帰したのは、2022-23シーズン開幕前の9月に行われた仙台89ERSとのプレシーズンゲーム。レギュラーシーズンでは今村のほか、松脇圭志や牧隼利などの台頭によりプレータイムが限られ、1試合平均12分10秒と前シーズンから10分以上も出場時間を減らした。それでも、Bリーグ初年度から琉球一筋の生え抜きはキャプテンとしてチームを支えてきた。
「選手キャリアも、人生もいいことばかりではないと身をもって経験しました。メンタルやフィジカル的なコンディションが上がってこないなかで、自分にできることをコツコツと積み重ねてきたシーズンでした。人間的な部分で、自分自身が頑張ってきて良かったなと思いました」
「正直、何も力になれていません。みんなを信じているだけです」と語ったように、ファイナル初戦でも出場は第2クォーターの4分15秒のみ。死闘を制したチームについて、次のように振り返った。
「選手それぞれの良さがあって、マツ(松脇)の良さがあったり、牧の良さがあったり。その日のいいところをうまく組み合わせられるのが強み。層の厚さを証明できました。昨シーズンのファイナルを経験して、みんながひと回り大きくなったと思います。この舞台に立てるのを証明できていると思います。何よりマツや牧といったセカンドユニットがしっかりと力をつけてきたレギュラーシーズンでした」
田代が横浜アリーナのコートに送り出された瞬間、琉球のファンから大きな拍手が送られた。試合中も「ゴーゴーキングス」といった声出しやディフェンスコール、フリースローを妨げるブーイングなどで選手たちを後押し。沖縄から来られなかった方々も中継を通じて応援していただろう。田代は「シーズンをとおして応援し続けてくれるファンは僕たちにとって“魂”で、“宝物”なので。感謝してもしきれない存在で、なくてはならない存在」と評し、昨シーズンのリベンジに向けて意気込んだ。
「カップを持ち帰りたいです。それは僕が沖縄でプレーしている使命だと思います。何としても持ち帰りたいです。昨シーズンはファンの方たちの涙を見たことが何より悔しかったです。今シーズンは皆さんの笑顔を見たいと思います」
王手をかけて臨む第2戦は28日13時10分から行われる。
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