2023.07.19

【インタビュー】角田太輝、地元佐賀バルーナーズとともにB1の舞台へ

B2優勝を果たし、B1での新シーズンを迎える [写真]=伊藤大允
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2023-24シーズンのB1は10月5日、SAGAアリーナを舞台に佐賀バルーナーズ琉球ゴールデンキングスによる一戦で幕を開ける。B3リーグ参入から5シーズン目にB1の舞台にたどり着いた佐賀は、昨シーズンの王者に対してどのような戦いを見せるのか。開幕カード発表会見に登壇した角田太輝へインタビューを実施。新シーズンに向けての思いなどを語ってもらった。

インタビュー・文=酒井伸

■ポイントガードに初挑戦

――チームとしてB1昇格を果たしました。自身が加入してからの2年間を振り返ってください。
角田 2021-22シーズンに特別指定選手として加入し、ポイントカードのポジションを初めて挑戦しました。チームをどのようにまとめるのかとか、セットプレーの指示の出し方さえも最初はわかりませんでした。初歩的なところから学んでいき、昨シーズンはプレーオフのファイナルでキャリアハイの31得点を挙げることができました。

――登録ポジションはシューティングガードです。
角田 本当は徐々にポイントガードのポジションへ移行させていきたかったと思いますけど、シーズンの途中にレイナルド・ガルシア選手がケガをしてしまったことで、ポイントガードで起用されるようになりました。ポイントガードの経験が全くなかったので、言われた時は「ちょっと今か」と(笑)。

――実際にプレーしていかがでしたか?
角田 ボールをよく持つポジションだからボール運びをしなければいけないし、いい形でセットプレーに入れるようにしなければいけない。それを40分間やり続けるのは体力的に大変でしたし、さらに頭も使わなければいけなかったので、ポイントガードで起用された当初は試合後に疲労を感じました。

2022-23シーズンはB2で1試合平均9.8得点3.1リバウンド3.3アシスト1.3スティールを記録 [写真]=B.LEAGUE

――オフシーズンはどのようにして過ごしていますか?
角田 シーズンが終わったら、一度バスケットボールから離れていろいろな場所へ行こうと思っていました。自分が計画していた観光地に行けて、とてもリフレッシュできました。初めてのハワイでダイビングしたのはすごく楽しかったです。

――昨シーズンは30代前後の選手が多いなか、角田選手はチーム最年少でした。
角田 年齢はあまり気にせずやっていこうと思っていましたけど、“兄貴”のような先輩が多くて、「自分の好きなようにやっていいよ」、「自分の思ったように、思いきってプレーしてくれたほうがいいから」と言ってくれました。先輩の言葉を受けて、自分が中心になり、積極的にチームを作っていこうと思えたので、チームメートには感謝しています。

――印象に残っている言葉はありますか?
角田 シーズン序盤、僕が第1クォーターでファウルを重ねてしまった時、山下(泰弘)選手から「お前はそういった役割の選手じゃない」と言われて。最初は僕がファウルをしても、チームが勝てればいいという感覚でしたが、山下選手の言葉を聞いて、自分の役割が変わったというか、プレーへの意識を変えるようになりました。

――佐賀バルーナーズは2018年に創設された新しいチームです。地元にプロバスケットボールチームが誕生すると聞いた時は?
角田 率直なことを言うと、「佐賀にできるのは、ちょっと無理なんじゃないか」と。強豪と言われるような中学や高校はないですし、なかなか厳しいだろうと思っていました。ただ、B3初参戦の2019-20シーズンに優勝とB2昇格、翌シーズンもB2初年度ながらプレーオフ出場と、結果を残してきました。地域に根付いているのもいいことですね。いつか地元の佐賀でプレーしたいと思っていましたけど、まさか声を掛けてもらえるとは思っていなくて。宮永(雄太)ヘッドコーチ(兼ゼネラルマネージャー)をはじめチームにはすごく感謝しています。

――佐賀県内には様々なスポーツチームがありますが、県内における佐賀バルーナーズの立場についてはどのように感じていますか?
角田 昨シーズンは一番注目されていたと思いますし、今シーズンは初のB1ということでより注目を集めるはずです。ただ、敗戦が続けば、注目度は徐々に下がっていくと思います。そこで僕らがどれだけ結果を残せるのか。開幕までのチーム作りがすごく大切になると思っています。

■初のB1へ、2ケタ得点&アシスト増を目標に

地元佐賀出身選手として「もっと多くの方々にバルーナーズを知っていただきたい」 [写真]=伊藤大允

――自身にとっても初のB1です。
角田 プレーしたことがない舞台なので、自分がどれだけ通用するのか不安ですけど、楽しみな気持ちも強いです。思いきってプレーしたいですね。

――B1とB2の違いについて、現状はどのように感じていますか?
角田 ハードなプレーをしても、ファウルがあまり吹かれない印象です。フィジカル面で相手に当たって、強度の高いプレーを続けられるように練習に取り組んでいます。逆に自分の持ち味であるスピードには自信がありますよ。

――意識したいスタッツは?
角田 得点では平均2ケタを目標にしたい。あとはアシストの数も伸ばしていきたいですね。

――開幕までに取り組みたいことはありますか?
角田 フィジカル面では持ち味のスピードを落とさないように、体重や筋力を調整しなければいけません。自分の体と向き合って強化していきたいですね。あとはピック&ロールの使い方を学び、練習していきたいです。

――チームの注目ポイントを教えてください。
角田 チームとしてはまずディフェンス。B1トップレベルに負けないようなディフェンスを披露したいですね。オフェンスでは昨シーズンから継続して流動性のある攻めを見てほしいです。

――B2ではガルシア選手の存在感が光りました。
角田 オフェンスの時、彼にディフェンスが2人、3人と寄っていくので、一緒にプレーするのがすごく楽というか、オープンショットを作ってくれました。チームには欠かせない選手で、すごく頼もしいです。彼がB1でどれだけやれるのかはすごく楽しみにしていて、皆さんにも注目してほしいですね。

――現時点のチームについてはどのように感じていますか?
角田 ディフェンスを中心に考えた選手たちがそろったと思います。そこでどれだけチームディフェンスを作り上げていけるのか。オフェンス面を支えてくれた西川(貴之)選手が大阪エヴェッサへ移籍した分、オフェンスはイチから作っていかなければいけません。

――会見では河村勇輝横浜ビー・コルセアーズ)選手や富樫勇樹千葉ジェッツ)選手との対戦が楽しみとおっしゃっていました。
角田 河村選手とは彼が東海大学時代に対戦して、マッチアップも経験しました。大学時代から意識していましたよ。彼もプロに入って大きく成長したと思うので、あの世界観を体感できるのを楽しみにしています。富樫選手についてはbjリーグの秋田ノーザンハピネッツ時代から見ていました。小さな頃から見ていた選手と対戦できるのもすごく楽しみです。

――チームの目標を教えてください。
角田 B1で戦うからにはチャンピオンシップ進出、その先を目指していきたいです。ホームで開幕を迎えられますし、その相手が昨シーズン王者の琉球ゴールデンキングス。まずは開幕節の2試合を連勝できれば、チームとしてすごく勢いづくと思います。チームとしては、昨シーズンのプレーオフ決勝で7500人を超える来場者数を記録しました。B1ではそれより多くの方々に来ていただきたいですし、もっと多くの方々にバルーナーズを知っていただきたいです。

B1の舞台に乗り込む [写真]=B.LEAGUE

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