2023.12.02
Bリーグは11月22日、2022-23シーズン(昨年度)のクラブ決算概要発表会見を実施した。
B1とB2の38クラブを合計した営業収入(売上高)は昨年の300億円から+38.3パーセントの415億円となり、Bリーグ創設以来、初めて400億円の大台を突破。B1クラブ平均でも昨年比+38.6パーセントの14.2億円と、2026年からスタートする新B1『B.LEAGUE PREMIER(Bプレミア)』への参入条件12億円を超えるなど、右肩上がりの状況を示す数字が並んだ。
ただ、営業収入と同様に、選手年俸を含むトップチーム人件費も、直近4シーズンで2倍近くまで膨れ上がるなど高騰。債務超過のクラブこそ15から6まで減ったものの、赤字クラブについては20(B1=11/B2=9)を数える横ばいの結果となった。
2022-23シーズンについて、島田慎二チェアマンは「あれだけ売上を上げて赤字になるのは、本当は良くないなと思っています」とし、「良い面と反省すべき面が並列したシーズンだったと思います」とコメント。各クラブの努力を評価しつつ、「B.革新を見据えて、ポジティブな部分と、影の部分を両方見ていく。ただ『伸びていますね』と浮かれているようなことがあってはならない。リーグ全体でシビアに見ながら経営していこうということでコンセンサスをとっていきたい」と話した。
一昨年度は営業収入20億円を超えたクラブが千葉ジェッツのみだったが、昨年度は千葉J(25億1000万4000円)に加えて、アルバルク東京(26億9726万9000円)、琉球ゴールデンキングス(23億7597万8000円)、川崎ブレイブサンダース(21億8433万5000円)の4クラブが営業収入20億円を突破。
高騰化が話題になった昨年度のトップチーム人件費は、A東京が唯一10億円を超える12億7315万円で、千葉J(9億8767万9000円)、島根スサノオマジック(8億7625万2000円)、琉球(8億4870万6000円)と続いた。
リーグダントツの入場料収入を誇った琉球は、経常利益も2億1310万円でリーグトップ。Jリーグに迫る勢いでBリーグが“伸びている”ことに関する質問を受けた島田チェアマンは「おそらく琉球のチケット売上は、Jリーグの浦和レッズとか横浜F・マリノスのちょっと下で、キングスがとらえるくらいの位置。A東京にしても、千葉Jにしても、J1のトップクラブにチケット収入が並んでくると思う」と見通しを語った。
また、「チケット収入が一番重要だと思っている」と持論も展開し、「総売上は親会社がどれだけ出したか、みたいなことも絡んでくるので、正直あまり重要ではないと思っている。気にしているのはチケット収入。チケット収入は嘘をつかないので。入場者数が多くてもチケット収入が少なかったら“招待だ”ってわかりますよね。入場料収入である程度の数字を作れている点はすごくポジティブです」と、琉球も含めた各クラブの取り組みを評価した。
2023-24シーズン(今年度)は、クラブ全体の営業収入が472億円となる見込みで、リーグ本体とあわせて500億円規模に突入する見通し。島田チェアマンは「健全に実力をもって数字を伸ばしていくことをリーグとしては大事にしていきたい。一過性で終わらないように、地に足をつけて、この盛り上がりを血と肉にしたい。バスケ人気を全地域に定着させるシーズンにしていきたいと思います」と、リーグのさらなる発展を誓った。
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