2024.05.28
広島から下剋上を起こす。広島ドラゴンフライズは5月23日、『日本生命 B.LEAGUE FINALS 2023-24』に向けて地元で最後の練習を行い、決戦の地・横浜へと旅立った。
Bリーグ年間王者を決めるファイナルは、25日から横浜アリーナで開催される。決戦が始まる2日前、広島は練習拠点のドラフラベースで最後のチーム練習を実施。3×3日本代表の活動から帰ってきたばかりの三谷桂司朗が久々に合流し、「ファイナルまで勝ち進んできただけあって緊張感もありながら、みんながモチベーション高く練習に励んでいる。全員が優勝したい気持ちを持ちながら取り組んでいるのを肌で感じるし、その中でもリラックスしてコミュニケーションを取りながらやっている」と、チームの雰囲気に刺激を受けている。
2年連続のチャンピオンシップ(CS)進出を果たした広島は、準々決勝で中地区王者の三遠ネオフェニックスに連勝、準決勝で西地区王者の名古屋ダイヤモンドドルフィンズとの激闘を2勝1敗で制し、クラブ初の決勝に勝ち進んだ。ワイルドカードから快進撃で悲願の初優勝を目指す。
ニック・メイヨは琉球戦に向けて、「フィジカルなチームなので、そこは意識しないといけない。試合を通じてかなりフィジカルバトルになると思う」と展望し、「その中で自分たちのディフェンスとオフェンスがしっかり遂行できるかが鍵になるし、僕らのペースで試合をコントロールしていきたい」と試合を見据えた。
広島は3月にエースガードの寺嶋良が負傷離脱するアクシデントに見舞われたが、チーム一丸でファイナルまで駒を進めた。CSではメイヨが調子を落としていたが、準決勝の第3戦では「チームメートが励ましてくれながら、僕が空いていたらしっかりパスを供給してくれた。チームメートのおかげで自信を持ってシュートを打てた」と仲間のサポートもあり、19得点4リバウンド4アシストの活躍で勝利に貢献。決勝でも「チームに求められていることを全力でやり切るだけ。僕らのバスケットボールを40分間やれば、絶対にいい戦いができる」と仲間を信じてプレーする。
今では“広島の顔”になる活躍を見せる山崎は、CSでも「一段と気が引き締まって自分の気持ちも高まった。自分がもっとプレーで引っ張ろうという思いがある」と好調ぶりを発揮。チームが苦しい時に光る武器の3ポイントシュートはCSの5試合で成功率55.9パーセントをマーク。「今までやってきたことを信じているし、自分なら決められるという思いはずっと持っている」と自信を口にした。
広島は今シーズン限りで現役を引退する朝山正悟の“花道”もかかっている。チームは「少しでも長く朝さん(朝山)と一緒にバスケットをしたい」という思いで戦ってきた。メイヨは、「選手生活の最後に優勝できたら朝さんにとって特別な日になるし、チームとしてもいい流れで来ているので、しっかり勝ち切って朝さんにチャンピオンリングを持って帰ってもらいたい」と思いを明かす。
負傷離脱した寺嶋や引退する朝山、支えてくれたブースターたち、いろんな人への思いも背負って初優勝を目指す今季最後の大舞台。まずは気持ちで負けられない。三谷は、「小手先のレベルではなくて、気持ちのこもったプレーを続けることで勝利につながると思う。どんなプレーも全力で勝ちたい気持ちを前面に出していくことが一番大事」と下剋上に向けて闘志を燃やしている。
取材・文=湊昂大
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