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大阪薫英女学院高校(大阪府)のポイントゲッターである清水咲来と福島梓は大阪薫英女学院中学校時代からのチームメート。一緒に戦って6年目となる。
今夏の東海総体(インターハイ)ではスターターだった福島だが、「Softbankウインターカップ平成30年度 第71回全国高等学校バスケットボール選手権大会」では6番手として出場。それは2年生のセンター塩谷心海の成長を含め、チームのサイズアップなどが理由だが、「後発で出てもちゃんと点を取ってくれる選手」(安藤香織コーチ)という意味もある。先発でも途中出場でもどちらでもパフォーマンスが変わらないというのは、高校では稀有な選手と言えるだろう。
昭和学院高校(千葉県)との準決勝でも、福島は第1クォーター終盤からコートイン。それまではベンチから「パスが回っていなくて、ドリブルからの1対1ばかりになっていました。だから自分が出たら、もう少しパスを回しながらドライブ行きたいなと思っていました」と、冷静に戦況を見つめていた。そしてその言葉どおり、コートに立った後、ドライブから相手の大型選手をかわしてシュートを沈めた福島。ディフェンスでも、高さのハンディを負いながらも体を張って相手の攻撃を封じていた。
残り4分でファウルアウトとなったが、「最後は思い切って(ボールを取りに)いっての結果。ファウルが4つになっても下げられなかったのはあの子が何とかするかなと思っていたからです」(安藤コーチ)と、指揮官からも絶対的な信頼を置かれている存在。168センチとパワーフォワードとして高さはないものの、シュートのフィニッシュが非常にうまく、テクニックも多彩だ。特にドライブから相手をかわすフックのようなシュートは、福島の代名詞ともいえる。これは「中学の時からセンターをしていたので、大きい選手と相手をしていくうちにできるようになった」(福島)というもの。その中学時代は、2、3年生と2回、全国中学校大会に出場しており、すでに主力を務めていた2年生の時には3位に輝いている。
「私にできないプレーをできるので、そこでこっちがいろいろ聞いたり、(清水も)私に聞いてきたりしています」と、福島。
清水は、中学3年生の時にケガをしていたこともあり、全国大会での出場時間は短く、「一緒にコートに立てていない」と、福島は言う。だからこそ、「今、ここのコートに一緒に立てているのがうれしいし、もう少しで日本一になれるという中で、しっかりみんなで力を合わせて戦いたいなと思います」と、明日迎える高校ラストの試合、日本一を決める舞台での戦いに目を輝かせている。
文=田島早苗