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悪夢のような第3クォーターであった。
12月27日、武蔵野の森総合スポーツプラザで行われた「Softbankウインターカップ平成30年度 第71回全国高等学校バスケットボール選手権大会」女子準決勝。大阪薫英女学院高校(大阪府)と対戦した昭和学院高校(千葉県)は、前日の準々決勝で桜花学園高校(高校総体1/愛知県)を破った勢いのまま試合を進め、10点リードで試合を折り返した。しかし第3クォーター、相手にゾーンディフェンスを敷かれると、前半の出来が嘘のように急ブレーキ。この10分間で5-24とされで一気に流れを持っていかれた。
40-49で迎えた最後の10分間は、立ちあがりから黒澤楓(3年)、三田七南(1年)の3ポイントで反撃を試みるも、相手にも3ポイントで返され点差が縮まらない。中盤からは大竹優香子(3年)のオフェンスリバウンド、西江瑠加也ワリペ(3年)の積極果敢なドライブからの得点で試合終了残り1分半には3点差まで詰める。しかし、同1分5秒に大阪薫英の清水咲来(3年)に痛恨の3ポイントを決められると、最後まで相手をつかまえることができず、最終スコア61-64で決勝進出を逃した。
「3クォーター目がすべてですね」
試合後、鈴木親光コーチが取材陣へ向け真っ先に話したこの言葉に、今日の試合内容が凝縮されていた。続けて指揮官は、「(攻めづらかったというよりは)自分たちが動かなくなってしまった。突然ゾーンをされて、頭が回らなくなったんだと思います」と分析。鈴木コーチ自身、相手のゾーンディフェンスは「頭の中にはあった」と話したが、「タイムアウトが遅れたかもしれない。一度、星(杏璃/3年)がハイピックを使ってジャンプショットを決めたので、立ち直るかなと思ったんですけど、またそれから止まってしまった」と反省した。
「3クォーター目の足が止まったところが全てだったんじゃないかなと思います」
指揮官は最後にもう一度、再確認するかのようにこの試合のターニングポイントを振り返った。
また、実際にコート上でプレーしたガードの西江は「ゾーンの攻め方はずっと練習してきたので(攻め方は)持ってたんですけど、この切羽詰まった状況の中でテンパってしまったというか、ゲーム運びが上手くできなかったと思います」と悔やんだ。
敗れた昭和学院は、明日の3位決定戦へと回る。「メダルをもらえるかもらえないかで大きく違うので、しっかり勝って銅メダルを持って帰りたいと思います」。
敗戦のショックからだろう。そう話した西江の目線は下を向いていた。
文=小沼克年