Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』
今大会第1シードの桜花学園高校(高校総体1/愛知県)を下したのは、千葉県代表の昭和学院高校。今夏のインターハイでは惜しくも1点差で敗れた相手を、2点差で破ってベスト4へと駆けあがった。
「最初から自分が強気に攻めて、みんながついてくるように背中を見せるというのはしっかり心掛けてやってきました」
激闘を終え、そう口にしたのは昭和学院の星杏璃(3年)。その言葉どおり、試合開始わずか10秒の最初の攻撃、右サイドでボールを受けると、迷わずドライブでゴールへアタックし先制点を奪った。同1分16秒にはバックコートからボールを運び、そのまま誰にもパスをせずにゴールへ突進。相手のファウルを誘い、2本のボーナススローを得た。以前、司令塔として「まずはチームをコントロールすること」を第一に考えていると話していた星が見せたこの2つのプレーに、夏へのリベンジ、ウインターカップをここで終わらせないという闘志が感じられた。
その後はドライブだけでなく、要所での3ポイントやアシストも積みあげて、試合をとおして19得点5アシストを記録。「スーパースターがいない」(鈴木親光コーチ)チームをしっかりとまとめあげ、奇しくも星以外の4選手がいずれも14得点という結果となった。エースガードとしての責任を果たした星は「今日は焦らずコントロールできていたし、自分から積極的に点数を取りにいこうという気持ちがあったので、良かったんじゃないかなと思います」と自分に合格点を与えた。
インターハイで桜花学園に敗れて以降、「今日の試合のためにがんばってきた」と星は言う。それは彼女だけでなくチーム全員で標準を合わせてきたことだろう。夏のリベンジは達成した。だが、試合はあと2試合残されている。
「自分たちが勝った分、負けたチームもいるので、恥ずかしい姿を見せないようにしっかり自分たちのできることをやっていきたいなと思います。ここまできたら絶対全国制覇したいです」
桜花学園という高校バスケ界の大きな壁を乗り越えた昭和学院。1987年以来となるウインターカップ制覇へ向け、視界は良好だ。
文=小沼克年