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東京成徳大学高校(東京都)が、2009年以来11年ぶりとなるウインターカップ決勝進出を決めた。
12月27日に行われた「SoftBank ウインターカップ2020 令和2年度 第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会」準決勝は、北海道代表の札幌山の手高校と激突した東京成徳大。立ち上がりから激しく得点を取り合い、前半で57-51のハイペースで試合を折り返す。7点差で迎えた第3クォーターでは山口希乃夏(3年)、佐坂光咲(2年)の3ポイントなどで2ケタリードとし、第4クォーター序盤には90-73と優位に立った。
しかし、ここから相手の猛追に遭うと、みるみるうちに点差が詰まっていき、試合終了残り2分を切った時点でリードはわずか2点。それでもその後は得点を許さず、最終スコア96-92で接戦をものにした。
東京成徳大は第3クォーター中盤からキャプテン兼ポイントガードの山田葵(3年)がベンチに下がっていた時間帯があり、そこでオフェンスが機能せずに追い上げを許してしまった。ベンチでは「ドキドキしていた」という山田だが、コートへ戻ると、「こういう時こそ落ち着いてプレーしようと思っていました」と、チームを落ち着かせて勝利を手繰り寄せた。
2回戦からは慶進高校(山口県)を105-73、小林高校(宮崎県)を97-71で退け、激闘となった安城学園高校(愛知)との準々決勝は、佐坂のブザービーターで96-94と競り勝ってメインコートまで駆け上がった。そして、この日の札幌山の手戦では出場した全9選手が得点とリバウンド、さらにはアシストまで記録した。
40分間アグレッシブなディフェンスを貫き、オフェンスではアーリーオフェンスを軸にハイスコアを狙う。コート上の5人が常に足を動かし続けるこの“全員バスケ”が、今年の東京成徳大だ。
今回のウインターカップ、チームは『大丈夫』という合言葉を設定した。「いい流れの時も悪い流れの時も、しっかりその言葉を全員で意識して強い気持ちでプレーしていました」と山田も口にする。残すはあと1つ。28日に控える桜花学園高校(愛知県)との決勝戦のみとなった。
「本当に強い相手なので、チャレンジャーとして強い気持ちでぶつかっていくだけです」
泣いても笑っても残り1試合。大丈夫。自分たちを信じて、戦おう。
文=小沼克年