2021.07.20

インターハイ男子注目選手(2)新井翔太(実践学園)「全攻撃を司るファンタジスタ」

実践学園のオフェンスをコントロールする新井翔太 [写真]=小沼克年
元バスケットボールキング編集部。主に国内バスケ(Bリーグ、高校・大学バスケ)を中心に取材活動中。バスケでオウンゴールしたことあります。

 7月25日から30日にかけて新潟県で行われる「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。2年ぶりとなった夏の祭典に向け、バスケットボールキングでは大会で注目の選手をピックアップした。

■男子注目選手(2)新井翔太(3年/実践学園高校/東京都)

 今年の実践学園高校(東京都)の攻撃は、ほぼ新井翔太(3年)から始まると言っても過言ではない。

 見方によってはボールを持ちすぎているようにも見えるかもしれない。しかしそれは、「基本的に攻撃は彼の判断に任せています」と、高瀬俊也コーチが寄せる信頼の証だ。

 東京都1位として夏の全国に乗り込む実践学園。同チームは関東大会予選で成立学園高校、八王子学園八王子高校に敗れて東京都6位に甘んじたが、インターハイ予選ではその2校へのリベンジも果たして優勝を飾った。

 攻撃のタクトを振るう新井は、身長は170センチ代前半と小柄なものの、それを補って余りあるスピードとテクニック、そしてシュート力も持ち合わせるポイントガードだ。

 いざボールを持てば、独特のリズムで緩急を自在に操り、しっかりと自分の“間”で勝負ができる。視野も広く、シュート体勢に入ったあとでも空いた味方へパスを送る判断力もあり、「セルフィッシュな部分だけではなくて、ちゃんとパスも回して味方も生かすプレーもできる」と高瀬コーチも評価している。

「全国中学校バスケットボール大会」で優勝し、高校入学後も新井、家永淳之介(3年)を筆頭に下級生の頃からチームの主力を担ってきた。ただ、そのキャリアがある分、指揮官は「きちっとやれば強いと思うんですけど、心に余裕を持ちすぎてしまうことがあって試合の入りが悪くなってしまうことがあります」と指摘。無論、この改善には司令塔・新井のゲームメイクがガギになるだろう。

 昨年は新型コロナウイルスの影響を受け、ウインターカップを1試合しか戦えなかった。チーム、そして新井にとっても昨冬の無念を晴らす夏だ。実践学園のファンタジスタが、長岡の地で輝きを放つか。

チーム、新井にとっても昨冬の無念を晴らす時が来た [写真]=小沼克年


文・写真=小沼克年

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