2022.05.09

【注目選手紹介】「今年のナンバーワン留学生」との呼び声が高い、帝京長岡の守護神コネ

昨年のウインターカップ決勝では2年生ながら大活躍したコネ。今年も期待がかかる [写真]=小永吉陽子
スポーツライター。『月刊バスケットボール』『HOOP』編集部を経て、2002年よりフリーランスの記者に。国内だけでなく、取材フィールドは海外もカバー。日本代表・Bリーグ・Wリーグ・大学生・高校生・中学生などジャンルを問わずバスケットボールの現場を駆け回る。

 昨年のインターハイとウインターカップで準優勝へと躍進した帝京長岡高校。チーム創部以来の最高成績を収めて、新たな歴史を作った1年だった。

 その中で、エースとして大車輪の活躍を見せたのが、205センチの高さを持つコネ ボウゴウジィ ディッド ハメードだ(以下コネ)。マリ共和国出身の3年生。柔らかなシュートタッチを見せたかと思えば、力強いリバウンドとブロックショットでゲームを支配するインサイドプレーヤーだ。昨年のウインターカップでは、全5試合で得点とリバウンドでダブルダブルを記録。2回戦の白樺学園高校戦では大会最多得点となる55得点を記録。準々決勝の小林高校戦では30得点30リバウンド。決勝の福岡大学附属大濠高校戦では19得点20リバウンド9ブロックと、トリプルダブルに近い驚異のスタッツを叩き出している。

 しなやかさと力強さを兼備するプレーぶりは、2016年にウインターカップでベスト4入りした時のエースであり、2015年には八村塁(当時明成高校、現NBAワシントン・ウィザーズ)との対決で注目された同校OBのディアバテ・タヒロウ(NCAAポートランド大→サンディエゴステイト大)を彷彿させる。ゴール下での支配力という意味では、今年のナンバーワン留学生と言っていいだろう。

 柴田勲コーチは、「今年になってからは、もともと持っているシュート力に加え、フィジカルを頑張って鍛えているので、プレーに安定感が出てきた」とコネの成長を見ている。将来的にはフォワードになることを目指しているというコネは「中も外もできるフォワードになりたいので、今年は3ポイントにもチャレンジしたい」と抱負を語る。ゴール下で守護神になることはもちろん、プレーの幅を広げていく1年になりそうだ。そんな中で、柴田コーチが最上級生になったコネに求めているのはリーダーシップである。

「今年は去年準優勝したメンバーがごっそりと抜けた中でチーム作りを進めているので、どうしてもチーム作りの速度は遅くなっています。ただ、選手個々のポテンシャルは去年と同じくらいいいものを持っているので、去年と同じように、ディフェンシブなチーム作りを目指しています。その中で、やはり去年からゲームに出ているコネにはリーダーシップを発揮してくれることを期待しています。口数は少ないほうなのですが、芯がしっかりしている性格なので、チームメートともっとしゃべってコミュニケーショを図ってほしいですね。そうすれば、彼自身、もっと成長できると思います」

 今年も日本一を掲げる帝京長岡だが、当面の目標は激戦の新潟を勝ち上がること。昨年はインターハイが新潟県で行われたため、開催地枠を含めて出場権が2枠与えられた。しかし今年は1枠に減少するため、開志国際高校をはじめとする県内のライバルを倒さなくてはならない。

 柴田コーチは「まずは県内でしっかりと勝つこと。コネを中心にして、今年もディフェンスで粘るチームを目指します」と抱負を語る。日本一を決める決勝の舞台を経験したコネのリーダーシップに期待したい。

「プレーの幅を広げたい」と積極的な姿勢を見せる [写真]=小永吉陽子


取材・文・写真=小永吉陽子

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