2023.12.24

東海大福岡の浜口ゆずが奮起…ケガをしてコートに立てない「姉の分も」

浜口ゆずは東海大福岡の先発でコートに立っている [写真]=伊藤大允
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

 東海大学付属福岡高校(福岡県)の1年生、浜口ゆずにはこの人のために頑張ろうと思う相手がいる。それが姉の浜口さくら(3年)だ。

 東海大福岡は昨年、インターハイとウインターカップでチーム史上初となるベスト4入りを達成。姉のさくらは点取り屋として主力を担い、インターハイではベスト4入りの原動力となった。だが、夏以降に行った右ヒザの半月板の手術やリハビリ等で昨年のウインターカップはエントリー入りしたものの出場機会はなし。全試合、ベンチから戦況を見守った。

 しかし今年1月、長きにわたるリハビリを経て福岡県の新人大会で復帰を果たすと、そこからは徐々にプレータイムも伸び、調子も高めていった。今年のインターハイは県予選で敗れて出場はならなかったが、11月のウインターカップ予選では福岡県に与えられた2枠の出場権を獲得。浜口自身もキレのあるプレーを見せ、チームの優勝に貢献した。

 そしていよいよ浜口にとっても2年ぶりとなるウインターカップを迎えるところだったのだが…。ウインターカップ予選後にヒザを痛めて今大会はここまで2試合を不出場。ベンチから仲間に声援を送っている。

「姉がケガをしたときはショックでした」と、振り返ったのは妹のゆず。だが、「その分、私がやらないといけないという気持ちで臨みました」とも語る。

 もともと、ゆずが東海大福岡を進学先に選んだ理由には姉の存在が大きく、「ウインターカップで一緒にコートに立つのが夢でした」と、言う。それだけに本人が言うように、ショックは大きいだろう。それでも、「私が姉の分まで点を取ると思っているので、もっとやらないといけないと感じています」と、明日(25日)の3回戦に向けても気持ちを引き締める。

 ゆずは、「背が低い相手がディフェンスについていたら中で戦うし、外でもシュートやドライブでも攻めることができます」と、オールラウンドな攻めが持ち味。2回戦の柴田学園大学附属柴田学園高校(青森県)でも12得点を奪取した。

 普段は仲の良い姉妹だが、「目標というより超えないといけない人だと思っています」(ゆず)と、バスケットにおいては切磋琢磨試合間柄。姉に勝っているのは「泥臭いところ」で、逆に姉と比べて劣っているのは、「ドライブでのフィニッシュの強さ」と、ゆずは言う。

「明日(の3回戦)は今日以上に最初から強い気持ちを持って。もっとドライブに行ったり、そこでしっかりシュートを決め切ったりして、自分の持ち味を出していけるように頑張りたいです」

 頼もしい妹は、姉の思いも背負って明日も東京体育館のコートに立つ。

ケガのさくらはベンチに入ってチームメートを見守る [写真]=伊藤大允


文=田島早苗

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