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『B MY HERO!』
第1クォーターはわずか1点のビハインド。しかし、女王の壁は高かったーー。
「Jr.ウインターカップ2022-23 2022年度 第3回全国U15バスケットボール選手権大会」の女子3回戦。目下2連覇中の四日市メリノール学院中学校(三重県)に挑んだのは北海道代表のNORD BREZZA U-15。今年の夏、全日本中学校大会(全中)に出場した東月寒中学校の選手を主体に編成されたチームで、今大会では、ここまでは危なげない戦いで勝ち上がってきた。
実は東月寒中学校は、夏の全中でも四日市メリノール学院と決勝トーナメント2回戦で対戦しており、このときは40−56で敗れていた。
夏以来となる対戦。しかし、第1クォーターこそ互角の戦いを演じたものの、第2クォーターで一気に点差を広げられると、後半の反撃も及ばず。最後は53−87で涙をのんだ。
「リバウンドのところで今日も圧倒されてしまいました。そこで(リバウンドを)取れていればもう少し頑張れたかなとは思います」と、宮川誠一ヘッドコーチ。さらに「相手のディフェンスのプレッシャーは想定していました。その中で60点台の得点をして、相手の得点もなんとか60点台に抑えたかったのですが、相手ペースとなり、速い展開からの3ポイントシュートや、そこからのリバウンドを取られてしまい、対応できませんでした」とも語った。
対戦前は、試合巧者の四日市メリノール学院を前にスローペースも考えたそうだが、NORD BREZZA U15の特長でもある速さ軸にしたスタイルで真っ向勝負を挑んだ。勝ちにはつながらなかったものの、「ディフェンスの強度やカバーの仕方などが目標になるし、ガードの選手のボールプッシュの速さやシュートのフィニッシュ。しっかり決め切るところは見本にして生かしていきたいと思います」と、キャプテンの山田桜来は言う。
山田は、この試合でチーム最多の14得点を奪い、12アシスト6リバウンドもマーク。力強いドライブや1対1の能力にも長ける脚力のあるガードだ。その山田が目標とする選手はやはり、地元・北海道出身の町田瑠唯(富士通レッドウェーブ)。「視野の広さがあって、アシストのパスやチャンスがあったら自分でシュートを決めに行くところがすごいと思います」という。
「私はディフェンス得意としているので、まずはボールマンプレッシャーなどディフェンスの強度を上げていきたいです。オフェンスではまだまだ1対1の技術が足りないので、そこを伸ばしていきたいです」と、目を輝かせながら今後の抱負を語った山田。
今夏の全中は地元の札幌での開催。大きな声援を受けながら全国の舞台で躍動した。そして冬はジュニアウインターカップ。「楽しかったです」と、中学最後の1年間は、充実した1年となったようだ。
取材・文=田島早苗