2021.06.26

PGとして自身の役割を模索する田中大貴「できるだけいい状態でオリンピックに」

「できるだけいい状態でオリンピックに」と語った田中大貴(右)[写真]=加藤誠夫
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 6月25日、バスケットボール男子日本代表は岩手県の奥州市総合体育館(Zアリーナ)にて行われたイラン代表との国際強化試合の2戦目に臨んだ。23日に行われたイラン代表との第1戦では勝利を収めたが、この試合では相手に終始主導権を握られ、何度も追い付くなど奮闘したがわずかに届かず、67-72で敗戦となった。

 試合後の会見に臨んだ田中大貴アルバルク東京)は「向こうのほうがフィジカルでアグレッシブにプレーしてきたことに対して、こっちの試合の入りがよくなかった」と振り返った。また「試合を通して流れを作れなかったことが一つの大きな要因だった」とコメントし、「そこのところはコーチからもずっと言われていましたし、1試合目で自分たちが点差をつけて勝ったからこそ気をつけようという話をしていたのにもかかわらず、こういう結果になってしまったのは残念に思います」と悔しさをにじませた。

 直近の国際試合で所属チームとは異なるポイントガード起用をされていることについて、「自分もずっとポイントガードをやってきたわけではないので、だましだましやっていくしかないのかなと思っています。その中でも前の(2019年の)ワールドカップでの経験が活きていて、自分でも日に日によくなってきていると思います」と手応えを口にした。

 この試合で12得点を記録した田中は、ゲームをコントロールするときとアタックに行くときのバランスについて問われると、「自分ももちろんピック&ロールを使って得点できると思うんですけど、周りの選手もボールを触れるようにというのは意識しています。今日の試合は周りの選手がシュートタッチに苦しんでいるなと思って。自分がアタックしたほうがいいとやったのであのようなプレーになったと思います」と冷静に分析。さらに「ラマスHCからは『ポイントガードとして長い時間使っていきたい』と言われていますし、自分でもよくなってきていると感じますが、もっともっとよくなると思うので、短い時間ですができるだけいい状態でオリンピックに入れればいいのかなと思います」。

 チームの司令塔としてゲームコントロールは欠かせない要素。田中は「自分は周りを見ながらやらなきゃいけないですが、それで自分が積極性を失うのはよくないと思います。ここにまた3人(八村塁:ワシントン・ウィザーズ、渡邊雄太:トロント・ラプターズ、馬場雄大:メルボルン・ユナイテッド)が合流しますが、誰かが入ったときにまたガラッと変わるので、どうしたらいいかをずっと考えながらやっているつもりです」とバランスを意識しつつも難しさをうかがわせた。

 一方、開催が近づくオリンピックについて「フィジカルやディフェンスの強度というのは間違いなくこのレベルではないと思うので、強い相手に対してのイメージを常に持ちながらやっているところです」と意識の高さをうかがわせたが、「イランのプレッシャーにあおられているようだと、オリンピックで対戦する相手のプレッシャー、サイズ、フィジカルはもっと上がって、自分たちのやりたいことができない時間帯が続いてくると思うので。その中でもみんなでハッスルして、ディフェンスで守りきるなどのマインドを持つことが大事なのかなと思います」と意識の高さを見せた。

 男子日本代表は、6月27日(日)にイラン代表との国際親善試合第3戦に臨む。再びポイントガード起用が予想される田中のゲームメイクに期待がかかる。

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