2021.07.19

W杯の反省を糧に東京五輪へ臨む田中大貴「スポーツが周りに与えられる力は絶対にある」

キャプテンとしても司令塔としても、チームをまとめる田中大貴[写真]=伊藤 大允
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 7月18日、「Softbankカップ2021 バスケットボール男子日本代表国際強化試合」がサイデン化学アリーナ(さいたま市記念総合体育館)にて行われ、FIBAランキング42位の男子日本代表が同7位のフランス代表と対戦し、オリンピック前の最後となる強化試合を81−75と勝利で飾った。

 渡邊雄太(トロント・ラプターズ)とダブルキャプテンを務める田中大貴アルバルク東京)はスタメン出場すると26分24秒のプレータイムで、6得点4アシスト1リバウンド2スティールをマークした。

 試合後の記者会見に応じた田中は「試合の出だしから集中してみんな入れていたと思います。こういう強いチームとやるときに自分たちがターンオーバーをすると、流れを渡すことになります。前半はターンオーバーが0本ということで、いい集中で入れました」と振り返った。

 さらに田中は「本戦前に強い相手とやることができて、いい経験だなと思います。ただ、2年前のワールドカップのときも埼玉での強化試合ではいい戦いができていたんですが、本戦では力の差を見せつけられました。残りの期間でいい準備をして、今日みたいな強い入りができるようにしたい」とコメントし、油断なくオリンピック本番を見据えているようだ。

 田中はオリンピックでの悔しい経験を糧に自身のレベルアップに取り組んできた。

「ワールドカップを経験して、常にイメージを持ちながら、レベルは違えどBリーグで意識を持ってやってきたつもりです。あのとき経験もなく迎えたワールドカップとは違って、今は一度体感した圧や高いレベルを、常に想定できているのが一番違うのかなと思います。本戦でも3試合ともかなりの圧力を持ったチームだと思うので、その中でいかにターンオーバーせずに強気にアタックできるか、味方を活かしていけるか、ずっと頭を働かせながらやらなきゃいけないです」

日本一丸となって一生懸命にファイトしたい」

 ベルギー戦とフランス戦の両方で6得点にとどまった馬場雄大(メルボルン・ユナイテッド)について質問された田中は「彼とはアルバルク東京で一緒にやっていて、考え方や性格は分かっているつもりです。オーストラリアでやってきた自信もあると思いますし、それを出したいという気持ちが前面に出ていて、ちょっとハマってないだけなのかなと思います。彼の良さは常にリングにアタックする姿勢だったり、トランジションで前にどんどん走ったり、ディフェンスをアグレッシブにやることです。自分は心配してないですし、本番までにアジャストしてくると思います。自分はポイントガードとして、早い展開でプッシュしているときが彼のリズムになるんじゃないかなと思うので、前を走っている場面ではボールを渡してあげて、気持ちよくプレーさせてあげれたらいいのかなと」と答え、馬場への信頼を示した。

 チームに手応えを感じていると語る田中は「一番はメンタル的な要素が大きいのかなと思います。12人がそろって、みんなが同じ目標に向かって取り組めている雰囲気がいいのかなと。合流したメンバーの個の力は高いので、そこでうまく試合を作れている部分も大きいと思いますが、もっと良くしていけます。時間が少ないなりにもっとコミュニケーションをとって、できるだけ良い状態で本戦に臨みたいです」とコメント。

 無観客で開催されるオリンピックについて、最後に田中は自身の熱い思いを口にした。

「大袈裟じゃなくて、こういう状況だからこそ、スポーツが周りに与えられる力は絶対にあると思っています。残念ながらファンの皆さんが会場に来て応援できるようなことにはならなかったですが、それでも画面を通して、必ず絶対に伝わるものがあると思っているので、日本一丸となって一生懸命にファイトしたいと思うので、そこを見てほしいです」

田中のアルバルク東京での後輩でもある馬場雄大[写真]=伊藤 大允

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