7月17日、男子日本代表は「FIBAアジアカップ2022」のグループステージ第3戦でイランと対戦し、76－88で敗れた。

　試合から一夜明けた18日、記者会見に応じたトム・ホーバスヘッドコーチは、「長い間チームとして一緒にプレーしているイランは高い経験値がありました。うちのオフェンスのアクションにも対応されたり、ディフェンスでもミスマッチを的確についてきました」と試合を振り返った。

　悔しい敗戦となったが、「負けた試合はすごく勉強になる」と力強く語る指揮官は、若手選手について聞かれると「前の2試合ではあまりシュートが入らなかった井上（宗一郎／サンロッカーズ渋谷）選手が、すごくいい仕事をしました。経験があまりない選手が毎試合活躍することは難しいかもしれませんが、若い選手ですから七転び八起きの精神で上がってくるかを見ています」と語り、放った4本の3ポイントをすべて沈め、12得点4リバウンドをマークした井上を高く評価した。

　劣勢で迎えた第4クォーターでは、30－20と点差を詰めることに成功した日本。フルコートプレッシャーから相手のミスを誘うなど、攻めの姿勢のディフェンスから得点を伸ばしたが、「パターンを変えて、トラップも効きましたが、あれはギャンブルなディフェンスなので40分間するのは難しいと思います」とホーバスHCは冷静に話す。

　それでも、「第4クォーターはすごく良かった」と試合終盤まで奮闘したメンバーをしっかりと称えた。「海（テーブス海／滋賀レイクス）がいいペースを作りました。彼はペイントエリアで得点も決めて、そこも大きかったと思います。経験のある張本（天傑／名古屋ダイヤモンドドルフィンズ）もずっといい仕事しているので、もう少し彼のプレータイムを増やしたいと考えています」。

ロスターの半分が20代前半の若手選手のなか、東京五輪も経験しているベテランの張本は堅実な活躍を見せている［写真］=Getty Images

　2勝1敗となりグループ2位で決勝トーナメントに進出した日本は、初戦でフィリピンと対戦することになったが、「イランとはぜんぜん違うチームです。フィリピンはうちとサイズもそんなに変わらず、ガードとウイングにいい選手が集まっています」と対戦相手を評価。

　負けたら終わりの1発勝負となるトーナメント戦が始まるが、ホーバスHCは「たくさん試合をやりたいから、もう絶対に負けたくない。このチームは自分たちのバスケットができれば、強くなれると思っています。だから、もう絶対負けたくないんです。うちのベストな状態で勝負したいです」と高い熱量で意気込んだ。

　フィリピンとの注目の1戦は、19日に開催される。