2023.07.31

代表合宿で血気盛んな若手と練習に励む渡邊雄太「8月25日に最高の状態を持っていく」

囲み取材に応じた渡邊[写真]=バスケットボールキング
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 7月30日、「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」へ向けた直前合宿を行なっている男子日本代表(FIBAランキング36位)が公開練習を実施。代表候補選手たちは、それぞれ取材に応じた。

 今回の合宿から代表に合流した渡邊雄太(フェニックス・サンズ)は、「めちゃくちゃいい練習ができています。まだ選手選考の途中なのですが、緊張感と競争心を持つのと同時にみんなこの状況を楽しめていると思います。僕も同じようなことをNBAで5年間やってきて、みんなの気持ちもすごくわかるんですけど、そういうときに楽しめる人が強いと思うし、いい雰囲気の中で練習ができていると思います」と現在のチーム状況を明かした。

「昔からずっと日本は練習がゆるいと感じていた」と言う渡邊だが、「今はそんな心配をする必要が一切ない」と語り、代表候補15名で質の高い練習ができているようだ。

「ここ数年、高い意識を持ってみんなが練習できるようにはなってきてると思うんですけど、今年はそれ以上に全員本当に残りたいという気持ちが全面に出ていて、たぶんコーチ陣も誰を選ぶかですごく頭を悩ませていると思います。僕はコーチに『急に飛ばしすぎないように』と言われていたのですが、昨日今日の練習ではけっきょく全部入っちゃいました(笑)」

「みんな仲がいいんですけど、ただ仲良くやってるだけじゃ絶対に強くならないです。簡単なミスに対して厳しく言い合うだとか、コミュニケーションを取ることが本当のチームだと思うので、そこは意識しています」と語る渡邊。同じく代表候補の河村勇輝横浜ビー・コルセアーズ)は、渡邊の合流で「練習の雰囲気が一段と良くなった」と話しており、プレー面以外でもチームに大きな影響を与えている。

 以前の代表活動では印象に残った選手を聞かれると、練習から激しくマッチアップした吉井裕鷹アルバルク東京)の名前を挙げていた渡邊。今回の合宿でも血気盛んな若手たちと、ハードな練習を行っているようだ。

「吉井は同じチームでこの数日やってたので、井上宗一郎越谷アルファーズ)が僕のマッチアップでした。今日も練習途中で誰かが『変わるか?』と話したときに、『雄太さんとやらせてくれ』みたいなことをボソッと言ってて、僕はそういうのはすごく好きなんで。あと金近(廉/千葉ジェッツ)が僕の上からダンクをかまそうとしてきました。滑って失敗してましたけど、若くてやる気のある選手がどんどん出てきてるのは本当にいいことだと思うので、自分もしっかりとNBAで経験してることなどを彼らに伝えていって、今後の日本代表にのつなげていきたいです」

「遠慮されるのが一番嫌い」と話す渡邊は、「日本には良い意味でも悪い意味でも上下関係がありますが、コートに一歩足を踏み入れたら、それは絶対必要ないと思っている」と力説。「若い選手が僕に対して激しくやってきたら、ちゃんと称賛して『もっとやっていいんだよ』と言ってあげないといけない」と、若手の奮闘を歓迎しつつ、「僕もまあ負けるつもりはないので」と笑顔を見せた。

 男子日本代表は8月2日と4日にそれぞれニュージーランド、15日にアンゴラ、17日にフランス、19日にスロベニア代表と強化試合を行い、8月25日に開幕するワールドカップへ挑む。いよいよ本番までのカウントダウンがスタートし、チームとして詰めていかなければならない点についても触れた。

「全員の意識が高くなってると思いますが、少しでもゆるいディフェンスをしたら世界には絶対通用しないです。今ぐらいの強度でももっと上げていかないといけないくらい、ドイツ、フィンランド、オーストラリアは強い。ここで満足してる人は誰もいないでしょうし、強化試合で細かいところを意識してやっていきたい」

 また、残り5試合となった強化試合について「勝敗ももちろん大事にしていきたい」と語りつつ、「何より大事なのはチームとしても僕自身も、8月25日に最高の状態を持っていくことだと思っています。なので休むということも含めて、うまくコントロールしながらやっていきたいです」と話し、照準を本大会初戦のドイツ戦に合わせた。

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