2023.07.08
「僕たちのおかげというわけではないですけど、そういう例があったから、金近(廉/東海大学)は頑張ってチャンスをつかんだと思います」
2月23日に高崎アリーナで行われたイラン代表(FIBAランキング20位)との「FIBAバスケットボールワールドカップ2023 アジア地区予選」Window6を終えたあと、男子日本代表(同38位)の井上宗一郎(サンロッカーズ渋谷)が、デビュー戦で6本の3ポイントシュートを含むチーム最多20得点を挙げた19歳について言及した。
23歳のパワーフォワードは2022年7月のWindow3で日本代表デビュー。その後も“ホーバスジャパン”に名を連ね、アジア地区予選では6試合の出場で1試合平均18.5分のプレータイムを獲得している。先発出場したイラン戦ではジョシュ・ホーキンソン(信州ブレイブウォリアーズ)のアシストからチーム初得点を挙げると、試合を通じて3ポイントなどで7得点に6リバウンドを記録。出場時間における得失点差「+26」が示すように、数字以上のプレーを見せた。
「イランに負けたくない気持ちがありました。トム(ホーバス)さんがスターティングファイブに選んでくれて、流れをもってこなければいけないなと。いい働きができたと思っています。僕たちの気持ちが勝ったと思っていて。過去のWindowやアジアカップで悔しさを経験した河村(勇輝/横浜ビー・コルセアーズ)などが引っ張っていってくれました」
先述した金近や井上に加え、21歳の河村と24歳のテーブス海(滋賀レイクス)がともに15得点の活躍。24歳の吉井裕鷹(アルバルク東京)は2得点にとどまったが、トム・ホーバスヘッドコーチ体制で主軸を担う1人だ。井上は前体制との違いについて「(フリオ)ラマスさんの時よりも若手にチャンス」だと感じており、「(今は)若手がやりやすい環境。いい環境でプレーできているのが一番いいと思っています。僕や河村、吉井さんがチャンスをつかんだ姿を見て、今回のディベロップメントキャンプを頑張ろうという思いだったはずです」と、金近について触れた。
河村は22日の前日練習後に「これまでは“最年少としてのプレー”がありました。ただ、今回はトムさんのバスケットを長く経験してきた僕が引っ張っていかなければいけないと思っています」と話しており、金近を始めとした若手の台頭は“先輩”としての意識を芽生えさせ、その結果としてチームにいい影響を与えているようだ。
Window6への合宿に招集された17歳の川島悠翔(福岡大学附属大濠高校)も控えている。「東京2020オリンピック競技大会」で27.2歳だった平均年齢は、イラン戦で25.7歳とわずかだが引き下げられた。約6カ月後の本戦ではどのようなメンバー構成になっているのか。井上は「まずいい形でWindow6を締めたいです。半年後の本戦に向けて、できることは多くあると思うので、準備していきたいと思います」と、アジア地区予選最終戦となる26日のバーレーン代表(同84位)戦に目を向けた。
文=酒井伸
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