2022.12.13
「完敗」
10月11日の初戦から日本大学、筑波大学を退けて踏み入れた決勝の舞台だったが、東海大学の壁は厚く、最終スコア47-79。コート上で相手の強さを肌で感じた飴谷は、「手も足も出ない状況だった」と口にしたほどだ。
試合を振り返ると、開始から理想的なシュートシチュエーションを作っていたのは大東文化大の方だった。西尾コーチも「最初はオープンショットを打てていたので、チームオフェンスは成功していました」と評価したが、星野が立て続けに放った3本の3ポイントシュートはリングを通過せず、開始約6分間で4-6。そこからジワジワと東海大に引き離されていくと、飴谷が審判に不満を垂れてテクニカルファウルを宣告されるなど、「シュートが入らなかったことで、そこからバラバラになりはじめた」(西尾コーチ)。
「40分間ずっと『慌てるな』と言ってたんですけど、やはりどこかで打開しなきゃいけないという部分で個に走ってしまった。なかなか切り替えることができなかったですね。私も含め、現段階では力負けをしてしまったので、それは次のインカレに向けて切り替えてやっていくしかない。本当に完敗でした」
準優勝でオータムカップを終えた今年の大東文化大は、4年生が少なく若いチームだ(今大会エントリーした4年生は3名のみ)。決勝では東海大の選手層と徹底力の前に苦杯をなめる結果となったが、決勝まで勝ち上がったことはインカレへ向け一つの自信になったに違いない。
「ファイナルまで進んだことは、選手たちの自信につながればいいかなと思います。やっぱり経験値が浅い選手が多いので、その辺をもっと詰めてそれぞれのレベルを上げられれば、もっともっと大東らしい粘り強いバスケができると思っています」と、西尾コーチも選手たちの伸びしろに期待している。
チームを背負う飴谷は敗戦に責任を感じながらも、東海大との再戦を臨み、大会を後にした。
「自分が全て責任を負うのはおかしいかもしれませんが、こういう試合をしてしまったのは自分の責任として捉えて、またイチからチーム作りをしていきたいです。西尾さんとも話して自分から変えなきゃいけないですし、もっと徹底力を上げてもう一回東海さんと決勝で当たれたらなと思います」
リーグ戦代替トーナメント大会として開催された今大会。コロナ禍の中で開催を踏みきったことについては、「制限がかかった中でもバスケットボールができたことについては、関係者の方々に本当に感謝しています」と西尾コーチ。東海大・陸川章コーチ、筑波大学・吉田健司コーチも11月7日の試合後、開口一番に「コロナ禍の中、試合をさせていただいて本当に感謝しています」(陸川コーチ)、「本当に苦しい中で、無事に開催できてよかったです」(吉田コーチ)と感謝の言葉を述べた。他チームのコーチや選手たちも、きっとこの気持ちは一緒なはずだ。
また、今大会は主力選手にケガ人を抱えているチームが多く、大東文化大も初戦で負傷した高島紳司が決勝戦で復帰したものの、司令塔の中村拓人(ともに2年)が東海大戦で手首を負傷。各チームはインカレまでにベストメンバーを揃えられるかも、日本一へ向けての大きなポイントとなりそうだ。
文・写真=小沼克年
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