2022.04.18

皇后杯の敗戦から一丸となったトヨタ自動車…馬瓜エブリン「最後はいいチームになれた」

試合後の会見で今シーズンを振り返った馬瓜エブリン[写真]=伊藤 大允
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 4月17日、国立代々木競技場第一体育館で「第23回 Wリーグプレーオフ」のファイナル第2戦が行われ、トヨタ自動車アンテロープスと富士通レッドウェーブが対戦。苦しい展開となった第1戦に逆転勝利を収めたトヨタ自動車は、87-71で2連勝を飾り、リーグ連覇を成し遂げた。

 第1戦と同じく13得点を挙げた馬瓜エブリンは、試合後の会見で「昨日の試合からしっかり修正して、今日はトヨタの持てる力を存分に出したいい試合だったと思います。みんなが一人ひとり力を出せたのは、日頃の努力の賜物だと思います」と力強く試合を振り返った。

 昨年の優勝から、チームとしてさらなる進化を目指したと話す馬瓜は「もっと成長していくチームになろうとみんなで言っていたので、この後の成長も楽しみにしてもらえたらと思います」と先を見据えた。

 また、十分に活躍したはずの馬瓜だが、「若干の弱虫が昨日今日と出ていて、シュートが打てる場面で打たなかったりしてしまった」と自身のプレーについて言及。

 それでも、馬瓜は第4クォーター序盤、後半に入って息を吹き返していた富士通を突き放すバスケットカウントを決める。さらに、苦しい時間帯でのプレスディフェンスからトヨタ自動車は得点を重ね、勝利を確実なものとした。

「勝利をつかむには必要な場面だと思ったので、みんなが声をかけてくれたおかげで勇気を持って(シュートに)いくことができました。ああいうプレーが出るとお調子者なので、ディフェンスでもいいところで取ることができました。シーズンを通してみんなに本当に支えてもらったので、最後の最後まで素晴らしいチームでいれて良かったなと思います」

 見事にリーグ連覇を達成したトヨタ自動車だが、馬瓜は「今シーズンはメンバーも変わって、新しい選手や新人に成長してほしいという思いから言い方を間違えたり、コミュニケーションがうまくいかないことが皇后杯までずっとありました」と順風満帆なシーズンを送ったわけではないと語る。

 今シーズンは2冠を目標に掲げていたトヨタ自動車だったが、皇后杯の準々決勝で奇しくも富士通に敗れることとなった。馬瓜はこの敗戦後に、全員が一つの部屋に集まり、正直に思っていることを話し合ったと明かした。

 その結果、メンバー全員で共通意識を持つために生まれたスローガンが“泥臭いトヨタ”だった。「綺麗にやらなくていいんで、リバウンドやディフェンス、ルーズボールを泥臭く積み重ねた先に勝利があるというのは、みんなの共通意識にありました」。

「この言葉があったからこそ、優勝まで辿り着いた」と話す馬瓜は「修正して、ここまで来れて、最後はいいチームになれました」と笑顔を見せた。

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