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昨年10月から始まった第24回Wリーグ。昨シーズン7位の三菱電機コアラーズは、12月までの10試合を9勝1敗とし、高い勝率を残していた。
しかし、1月1日のプレステージ・インターナショナル アランマーレ(以下アランマーレ秋田)との一戦に惜敗。2023年スタートの日に黒星を喫した。
チームは、ここまで昨シーズン準優勝の富士通レッドウェーブや6位のトヨタ紡織サンシャインラビッツに対して連勝。成績だけを見れば好調を維持しているように感じさせた。
だが、「正直、トヨタ紡織も富士通も相手のメンバーがしっかりそろった状態ではなかったので…。アランマーレ秋田の試合では自分たちのボロが出てしまったと思いますし、決してチームの調子が上がっているという状態ではないです」と、キャプテンの渡邉亜弥は言う。
実際、アランマーレ秋田の敗戦に加え、昨年12月の皇后杯・ファイナルラウンドでは準々決勝でENEOSサンフラワーズに73-92で敗退。「大差で負けてしまったし、自分たちが戦えるところにいるかといったら、まだ全然。自信があるとは言い切れないです」と、渡邉は冷静にチームの状況を語った。
一方で、渡邉個人を見れば、1月3日時点で得点ランキング3位となる一試合平均17.5点を叩き出し、アシストでも7.1本と町田瑠唯(富士通)に次ぐ2位。その働きをしっかりと数字に残しているだけでなく、苦しい場面や試合を決定付けるシュートを沈めるなど、幾度となくチームを勝利に導いてきた。
しかし、「相手も私にトラップなどいろいろなディフェンスを仕掛けてくるので、その中でほかの選手のスコアを伸ばすという点では、アシストは少し意識しています。でも、得点に関してはヘッドコーチからも点を取るように言われているので、自然とボールの配給は多い状態ではあるのですが、“うーん”といったところですね」と、本人の言葉は少し歯切れが悪い。
「苦しいときに(シュートを)決め切って勝てたことは良かったし、自分自身の調子も悪くはないのですが、チーム全体的を見たときには、“まだまだ”という感じで…」という渡邉。
エースとして、キャプテンとして。自身のプレーより、チームを最優先に考えているからこそ、課題点が多いことが気になり、自然と口も重くなるのだろう。
敗れたアランマーレ秋田戦後、チームは選手たちだけでミーティングを行ったという。「自分たちの悪いところを全部出し、修正点などもしっかりと話し合うことができました」という渡邉は、「負けないと分からないこともありました」とも語った。
そして前日の敗戦から切り替えて臨んだアランマーレ秋田との2戦目では41点差を付けての快勝。「選手一人ひとりが気持ちを切り替えて試合に入れたのは良かったし、佐賀藍葉ら若手が奮起してくれました。そういった若手のプレーは私のモチベーションにもなるし、負けていられないと火を付けてくれます」と、ようやく渡邉の表情が緩む。
「この一敗をどう受け入れるか。最後に笑って終われるようにするるためにも、リーグ戦を通して成長していかないといけない。そういった意味では(アランマーレ秋田との)2戦目で勝てたことは良かったと思います」
現実を突きつけられることとなった“一敗”が良薬となるのか。三菱電機の次戦は、1月7、8日。奈良と大阪を舞台にENEOSと対戦する。
取材・文=田島早苗