スピード自慢なU16日本代表の司令塔・濱田ななの「ドライブだけでなく味方を生かしたパスも」

　U16女子日本代表のポイントガードを務める濱田ななの（桜花学園高校1年／160センチ）は、四日市メリノール学院中学校（三重県）の頃から全国優勝を経験するなど、世代のトップを走ってきた。

　もちろん、7月10日開幕の「FIBA U16女子アジア選手権大会2023」を戦う一員にも選ばれており、「ディフェンスからブレイクで速い流れにするためにも、ドリブルプッシュや展開を早くすることを考えています。自分のドライブだけではなく、味方を生かしたパスもしたいです」と、大会に向けて意気込む。

　抜群のスピードを持ち、切れ味鋭いドライブを得意とする濱田。それだけでなく、「まだ確率は良くないけれど、中学のときはまったく打っていなかったジャンプシュートを打てるようになってきました」と、桜花学園に入学してからの約3カ月で、プレーにも変化が出てきたそうだ。

　U16女子日本代表には、その桜花学園や四日市メリノール学院中学時代のチームメートも多くいるため、勝手知ったる仲間たちの存在は心強いだろう。加えて、今回のチームについては、「学年が違う選手がいても、しっかりコミュニケーションを取りながらやれていると思います」という。さらには、「チームの雰囲気もいいし、明るく元気なだけではなく、みんなで『どうしたらいいか』といった話もよくしています」と、チームワークもコート内外で良いようだ。

司令塔としてチームを引っ張る濱田［写真］＝田島早苗

　チームのスタッフには、中学時代の恩師である稲垣愛コーチもアシスタントコーチとして名を連ねる。特に今大会は、「FIBA U19女子ワールドカップ」が同時期に行われるため、指揮を執る藪内夏美ヘッドコーチがU19女子ワールドカップのために大会途中にチームから離れることに。その後の大会後半は、稲垣愛アシスタントコーチと三島正敬アシスタントコーチ（浜松開誠館高校）がチームを引き継ぐため、再び濱田は、恩師とともに、今度はアジアの頂点を目指すこととなる。

「チームの目標はアジア選手権で優勝することです。個人としては、ガードとして、チームが悪い流れのときに声を掛けてチーム立て直すこと。1番ポジションとしてチームをまとめていくことができたらいいなと思います」（濱田）

「早く試合をやりたいですね」と、笑顔を見せる攻撃型ガードは、少しの緊張を持ちながら、来る決戦を心待ちにしている。日本の初戦の相手はサモア。7月10日・日本時間19時にティップオフとなる。

取材・文・写真＝田島早苗