2025.08.20

動きの鈍いFA市場から厳選!未契約の有力選手をリストアップ

(左から)シモンズ、ベイツ、ホーフォード、ウェストブルック [写真]=Getty Images

 ここ最近、NBAはフリーエージェント(FA)の動きが停滞気味。市場にはスターター級の実力者に、優勝経験のあるベテラン、開花を待つ若き才能、器用なロールプレーヤーなど、有力な選手たちが契約を待っている状態だ。

 以下では、次の行き先に注目が集まる選手を独断と偏見で厳選。なお、ピックアップする選手は制限なしFAのみとし、ジョナサン・クミンガジョシュ・ギディーをはじめとする制限つきFAの選手は対象外とする。

ベン・シモンズ

前所属球団:ロサンゼルス・クリッパーズ
2024-25シーズン成績:22.0分5.0得点4.7リバウンド5.6アシスト

動向が注目されていたシモンズ(左)だが、未だに動きが見えない [写真]=Getty Images

 2016年のドラフト1位で元オールスターは、未だFA市場に残されている。

 ケガや得点力不足、ここ数シーズンの成績不振など、かつての輝きが失われたという意見も散見されるが、ローコストで契約できるプレーヤーとしてはあまりにも優秀すぎる。スイッチを全く苦にしない万能な守備性能、推進力、フィジカルと視野の広さを融合させたプレーメイキング。得点源が充実した球団にとって、これほど魅力的な選手は存在しないのではないだろうか。

 今夏はボストン・セルティックスやサクラメント・キングスからの関心が噂されている。水面下では引く手数多で、再起を誓うシモンズ側が条件や環境を精査しているのかもしれない。

エモニ・ベイツ

前所属球団:クリーブランド・キャバリアーズ(2way契約)
2024-25シーズン成績:32.4分18.5得点5.8リバウンド2.4アシスト(Gリーグ)

将来性を高く評価されるベイツ [写真]=Getty Images

 かつて“デュラントの後継者”とまで言われたベイツは、FA市場における最大の“スティール”となる可能性を秘めている。

「クリーブランド・キャバリアーズのGM宛てだ。お前は何をしてるんだ? なぜエモニ・ベイツがGリーグにいるのか。最後の試合、こいつを起用してどうなった? 7本のスリー成功がチャンピオンシップにいらないと思っているのか?」、これは球団OBの歴代最高センター、シャキール・オニールが今年6月に自身のPodcastで放った言葉だ。

 高校時代は世代最高傑作とまで言われたスコアラーは、ディープレンジやタフショットも苦にしない抜群のシュート力がストロングポイント。昨シーズン、トップチームでは10試合出場に止まったが、スリーポイントは平均3.0本試投で36.7パーセントの成功率を収め、シーズン最終戦では25得点を記録した。リムへの到達力やオンボールの創造性など、課題も少なくないが、21歳という若さに賭ける価値は十分にある。

アル・ホーフォード

前所属球団:ボストン・セルティックス
2024-25シーズン成績:27.7分9.0得点6.2リバウンド2.1アシスト

FA市場の目玉とされていたホーフォード [写真]=Getty Images

 今夏の争奪戦必死とまで言われたキャリア18年のベテランセンターは、未だ今シーズンの決断を下していない。

 セルティックスはこの夏、ルカ・ガルザやクリス・ブーシェらフロントコートの戦力補強に注力。これらの動きは、ホーフォードとの別れを示唆するものとされている。ホーフォードはゴールデンステイト・ウォリアーズ加入が有力視されているものの、契約に至らない理由は、同球団とクミンガの複雑な進退問題にある。

 一方で、『ESPN』は引退の選択肢も依然として残している。選手本人も結論を急いでいない様子だが、高いバスケットボールIQとストレッチ性能はまだ錆びれていない。

その他にも有力選手が多数

控えのガードとしての価値を自分で高めたウェストブルック [写真]=Getty Images

 ミスター・トリプルダブルことラッセル・ウェストブルックは、シックスマンとして再び評価を高め、バックアップガードやベテランの経験が欲しい球団にとっては願ってもいない存在だ。また、マルコム・ブログトンもケガの心配さえ払拭されれば、効率のよい3番手ガードとして、優勝志向の球団にもフィットする。

 25歳以下の若手では、ブランドン・ボストンJr.もロスター獲得に値する。昨シーズンはニューオーリンズ・ペリカンズに在籍し、出場時間、得点、リバウンド、アシストの全てでキャリアハイを更新。控えウイングの得点力が足りないチームに刺さるプレーヤーだが、最近ではギリシャのパナシナイコスとの交渉が噂されていた。同時に、サマーリーグで印象的な活躍を披露し、ペイントエリアの両サイドで仕事ができるチャールズ・バッシーも、まだNBAでのキャリアを諦めるには早い。

 スイッチディフェンスとコーナースリーで即戦力のトーリー・クレイグ、変則的センターのボル・ボル、ウォリアーズのローテーションを支えた万能ガードのパット・スペンサー、サイズとストレッチ要素を安価に確保できるケビン・ノックスなど、魅力的な控え選手も豊富。各球団がロスターの仕上げにどの選手を迎え入れるのか。マーケットの閉幕まで目が離せない。

文=Meiji

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