9時間前

「2億5000万の価値を見せてくれ」“ご意見番”シャックが史上ワースト選手を選出

人気コメンテーターとして活躍するシャキール・オニール[写真]=Getty Images

■「ああいう奴らがシステムを駄目にする」

 シャキール・オニール(元ロサンゼルス・レイカーズほか)はご意見番として、『NBA on TNT』などで自身のユーモアを発揮している。

 シャックは米カルチャーメディア『Complex』のYouTubeに登場し、息子のマイルズ・B・オニールとGOAT(史上最高)とWOAT(史上最悪)にまつわる一問一答を実施。伏せられたカードを1枚ずつめくりながらそこに記されたお題について、それぞれの意見を述べている。

 パーティーに行く前に聴く曲、セレブの事故といったユニークなものから、バスケットボールにまつわるものまで、バラエティに富んだ質問が用意されるなか、マイルズは「史上最悪のNBA選手」と書かれたカードを引いてしまう。通常であればオブラートに包んだ回答でお茶を濁すようなシーンだったが、怖いもの知らずのディーゼルは間髪入れずにミネソタ・ティンバーウルブスのビッグマンと、相次ぐケガでキャリアに苦しむドラフト1位のポイントガードを名指しした。

ルディ・ゴベアに決まっている。ベン・シモンズもだけどね。何でか分かるか?2億5000万ドル(約356億円9000万円)の契約にサインするなら、2億5000万の価値を見せてくれ。俺の歩き方が変なことにも、首が回らないことも、それができないことにも理由がある。俺が1億2000万ドル(約171億3000万円)でプレーしていたからだ。ああいう奴らがシステムを駄目にする。あいつらは大金を稼いでいるのに、まともにプレーできない。だから、そういう選手は尊敬できない。こんなコメントをするたびに、みんなは俺が彼を憎んでいると思うだろうが、これは事実だ。教師も消防士も医者も、本当の仕事をしているが、十分な給料をもらっていない」

■ 辛口コメントに本人も反応

シャックから辛辣なコメントを投げかけられたルディ・ゴベア[写真]=Getty Images


 回答時にはマイルズから「そう言うと思った」と言われるほど、シャックは度々ゴベアに対して口撃を仕掛けている。とりわけ、2020年にゴベアが4度目の最優秀守備選手賞を受賞し、大型契約を手にして以来、パリオリンピック銀メダリストには「平均11得点を記録すれば、NBAで2億ドル(約285億4000万円)の契約が手に入る」、「12得点、8リバウンド?今すぐにでもできる」など、現役センターへ執拗に厳しいメッセージを投げかけてきた。

 『Complex』におけるシャックのコメントには、ゴベア本人も反応している。

「シャック、あなたのようにスポーツとビジネスの両方で多くのことを成し遂げた人が、まだ他の男の経済面や功績に気を取られているなんて悲しいです。エンターテインメントの一面であることは理解していますが、あなたは他の人たちと違い、(バスケットボールとの)関係性を保つためにそんなものは必要ありません」

 ゴベアが言及しているように、シャックのトラッシュトークは世間に定着した彼のキャラクターであり、オフコートにおける話題作りに過ぎない。シャックは最近、ビクター・ウェンバンヤマに対しても「素晴らしい選手だが、ジャンパーを何本も打つようなら支配的にはなれない」と私論を展開している。

 むしろ、シャックのこの種のコメントは後輩に対する期待の裏返しとも取れる。『USA Today』は4度のNBAチャンピオンに輝いた巨漢にゴベアとシモンズを批判した真意について尋ねると、以下のようにコメントしている。

「ルディとベンにはどこまで行けるのかを見せてほしいんだ。俺がテレビで言っていることを世間は理解していない。2000万ドル(約28億6000万円)の給料をもらっているんだぞ。お前たちは何もしていない。もっと頑張れ。嫌っているのではない。本当のことを言っている。もし、その事実が嫌なのであれば、それは君たちが対処しなければならないことだろう。ルディとベン、お前たちはどうするつもりだ。俺を黙らせてみろ」

 歴代最高のセンターからの辛口な激励。シャックは反骨心をプレーの原動力へと変換することを望んでいるに違いない。
 
文=Meiji

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