1時間前

カーメロが懸念する“第2のクリス・ポール”とは…ベテラン選手のキャリア終盤を語る

ベテラン選手の扱いについて語ったカーメロ・アンソニー [写真] = Getty Images
バスケ情報専門サイト

 12月4日(現地時間3日)、ロサンゼルス・クリッパーズクリス・ポールの解雇を発表した。2010年代のクリッパーズを代表する選手であり、今シーズン限りで現役引退を表明しているベテランの解雇は世界中のNBAファンに衝撃を与えた。それと同時に、NBAのベテラン選手がキャリア終盤でどのように扱われるべきかについても議論が巻き起こることとなった。

 殿堂入り選手であるカーメロ・アンソニー(元ニューヨーク・ニックス他)は、自身がホストを務めるポッドキャスト番組『7PM in Brooklyn』で本件について言及。番組の中でカーメロは、今回ポールに起こった突然の解雇のような非情な対応は、他の現役選手にも及ぶ恐れがあると語っている。

「懸念すべきなのは、今もプレーを続けている数人の偉大なNBA選手たちだ。ラスにはもう起きている。デローザンにもこれから起きるだろう。ADにも。ADは次にトレードされたら、そこから状況が悪化していくだろう」

 カーメロが言及したのは、ラッセル・ウェストブルック(サクラメント・キングス)、デマー・デローザン(キングス)、アンソニー・デイビス(ダラス・マーベリックス)の3名。ウェストブルックは今シーズン開始直前まで所属先が決まらなかったことを受け、“冷遇”が既に始まっているとした。さらにカーメロは、NBAがプロの世界でありビジネスである以上、特にキャリア終盤に差し掛かったベテランに対する配慮は二の次になると続けた。

「去り際になると、敬意なんて存在しない。レガシーなんて意味をなさない時がある。選手としての必要性を感じなくなった時点で、レガシーなんてものは考慮に入らないんだ」

 カーメロ自身、キャリア初期はデンバー・ナゲッツやニューヨーク・ニックスで華々しいキャリアを築いたものの、2017年に移籍したオクラホマシティ・サンダー以降は下降線をたどった。2018年にはヒューストン・ロケッツ加入後すぐに放出され、翌年のポートランド・トレイルブレイザーズ加入まで約1年間コートを離れるという苦汁を味わった経験もある。

 また、カーメロはロサンゼルス・レイカーズで2021-22シーズンを過ごしたのち2023年に引退しているが、2022年にニックス復帰のオファーを断っていることを明かしている。この件について、ポールの現状と照らし合わせつつ次のように語った。

「俺がニックスに戻って、ロスターの14、15番目の選手になるという決断はしなかったんだ。なぜか分かるか?もしチームの状況が悪い方に転んだら、誰に矛先が向けられると思う?テコ入れするためには、誰を切るのが一番簡単だと思う?そういうベテランなんだよ」

 カーメロは、自身が純粋な戦力として捉えられていないことを感じ、ニックス復帰を断念した。内部衝突の噂も報じられておりポール解雇の真相は明らかになっていないが、カーメロの言う通り「レガシー」や「レジェンドの敬意」は二の次にならざるを得ないのかも知れない。

カーメロ・アンソニーの関連記事

NBAの関連記事