2021.12.27
NBAで2度の優勝を経験したJR・スミスが、大学卒業という新たな勲章を手にした。
5月5日(現地時間4日)に行われたイースタン・カンファレンス準決勝第1戦。フィラデルフィア・セブンティシクサーズと対戦する古巣ニューヨーク・ニックスを応援するため、スミスはマディソン・スクエア・ガーデンを訪れていた。試合後には、会場の外で勝利を祝う大勢のファンに囲まれる様子が広く拡散されたが、その夜のスミスをより印象づけていたのは、卒業したばかりのノースカロライナA&T州立大学のジャケットを誇らしげにまとった姿だった。

[写真]=Getty Images
その後、スミスは2021年夏、ノースカロライナA&T州立大学への進学を発表。高校から直接NBA入りを果たした彼にとって、学位の取得は母親との約束であり、かねてから抱いていた大きな目標でもあった。

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これは、かつて学校に強い苦手意識を抱いていたスミスからすれば、決して小さな達成ではない。子どもの頃からADHDやディスレクシア(読み書きに困難を抱える学習障害)に悩まされてきた彼は、教育そのものに対して長く複雑な感情を抱えていた。
『The Athletic』のインタビューによれば、高校時代のスミスは、ホールパス、すなわち授業中に教室を離れるための許可証を受け取り、廊下で過ごすことも多かったという。友人とふざけ合い、落第を繰り返した過去もあった。本人もまた、教育をめぐる多くのトラウマを手放す方法を学ばなければならなかったと振り返っており、今回の卒業は単なる学生生活の完結ではなく、長年抱えてきたコンプレックスとの和解でもあった。

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「自分が心から感謝できることで誰かから認めてもらえるようになったと感じているし、それは自分にとって大きな意味がある」
スミスは在学中、アフリカの歴史、そして過去が現代とどのようにつながっているのかを学ぶことに力を注いだ。リベラルスタディーズでは、マルコ・モリス教授の授業を複数受講。同教授をはじめ、チューターやキャンパススタッフたちの支えが、自身の成功の鍵になったという。
「彼らは、僕が彼らのために何ができるかではなく、ひとりの人間としての僕を大切にしてくれているように感じた。A&Tが僕に与えてくれたのは、叔母、叔父、兄弟、姉妹、いとこのように感じられる数えきれない人たちだ。彼らはバスケットボール選手のJR・スミスではなく、ひとりの人間として僕を気にかけてくれた。人から言われることを、何でも当然のように受け取ることはできない。A&Tのような学校に通う最大の美しさは、そこにあると思う。彼らは本当に僕の目を開かせ、考え方を開いてくれた。陰謀論という意味ではない。常に、もう一歩踏み込んで自分で確認することの大切さを教えてくれたんだ」

[写真]=Getty Images
かつてはミームや失敗の象徴として消費されることもあった元NBA選手が、いまは学び続ける意思そのものを誇りにしている。JR・スミスの新たな姿は、アスリートだけでなく、世界中の学生や、もう一度何かを学びたいと願う人々にとって、大きな励みとなるはずだ。
文=Meiji
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