2026.05.14
ゲームで起こる出来事のみが本質であるべきNBAだが、最近は“ノイズ”が後を断たない。関係者のスポーツ賭博への違法な関与、才能のある若手を指名するためのタンク、さらにはロサンゼルス・クリッパーズがカワイ・レナードへの報酬をサラリーキャップ外で払っていた疑惑まで浮上した。
こうした懸念を、NBA選手たちはどのように捉えているのだろうか。現地メディア『The Athetic』は、“NBAの公正性”をテーマに、150名以上の選手に対して匿名アンケートを実施した。
試合でルールが適用されるように、スポーツは公平さを条件に競技が成り立っている。スポーツ賭博やタンキングは、その根底を大きく揺るがしかねない問題とされているが、「ゲームの公平性が危機に瀕しているのか?」という問いに対しては、全体の約75パーセントが「No」と回答。ただし、これは公平性が保たれているという安心感に由来するものではなさそうだ。
ある選手は、今すぐ公平性が揺らぐとは考えていないものの、「ギャンブルによって今後そうなる可能性を感じる」と、リーグの未来を懸念。選手はバスケットボールをプレーしたいだけにもかかわらず、そうしたゲームの純粋さが奪われるリスクを憂いている。
ギャンブルについての言及は、少なくなかった。別の選手は、ギャンブルとSNSの組み合わせに警鐘を鳴らしており、また別の選手は「試合中、観客から『頼むから11点取ってくれ!』という声が聞こえる。こういう類のものがゲームを壊してると感じる」と、スタジアムの雑音に嫌気がさしている様子だ。
タンクは、“勝利を望んでいない球団に在籍する”または“勝利を望んでいない球団と対戦する”という二面性により、全選手がキャリアにおいて何かしらの形で、その事実に直面していると言える。タンクを「若手を含め、成長のシーズン」と捉えるのは勝手の良い考え方であり、プレーオフとは対極にある白熱しない試合ほど、選手と観客にとって退屈なものはない。
タンクに対するアンケートの結果は、全体の約3割が「大きな問題」、約4割が「やや問題」と捉える一方で、約3割が「問題ではない」と回答している。問題と捉えている選手たちは、「最下位を決めるトーナメントのよう」、「負けることで報酬を得るべきじゃない」とし、競争性の欠如に苦言。だが、「タンクなんて昔からある、それでもリーグは成立してきた」との意見もあり、リーグはこの手法と長い間付き合ってきたというコメントも届いている。

[写真]=Getty Images
別の切り口では、もっと“フィジカルな守備”を許可するよう、ルール改定に着手する意見も多く見受けられた。「観客がオフェンスだけ見たい、という前提をやめてほしい」、「ファウル乞食のようなプレーは減るはずだ」といったコメントは、“本来のバスケットボール”への回帰を求める選手たちの意見を代弁している。
だが、こうした意見を反映するのも、一筋縄ではいかないだろう。一例として、現在リーグはルール改定に努めているものの、タンクを黙認してきたからこそ、若手にはプレーの機会があり、万年最下位のチームが生まれることもなかった。また、仮にスケジュールを短縮すれば、放映権の問題にも直結し、それはすなわち、選手たちのサラリーにも影響を及ぼすこととなるに違いない。
まるで重りを一つ反対側の皿に移せば、天秤がそちらに傾くように、現在のNBAは絶妙なバランスで成立している。手を加えるところと、そうでないところ。コミッショナーのアダム・シルバーを筆頭に、リーグは内的、外的要因の双方と向き合いながら、日々成長と解決すべき課題に向き合っている。
文=Meiji
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