2026.03.20
NBAを震撼させた違法スポーツ賭博問題。その渦中にいる一人が、類まれなハンドリングで観衆を沸かせてきたテリー・ロジアーだ。だが、ここへきて新たな容疑が浮上した。
現地メディア『ESPN』や『FOX』によると、ニューヨーク東部地区の連邦検察は4月下旬の法廷で、ロジアーに対しスポーツ贈収賄および忠実義務違反型の通信詐欺(honest services wire fraud)の容疑を追加する、差し替え起訴を行う見通しであることを明らかにした。従来の通信詐欺共謀および資金洗浄共謀の構図を広げ、NBAというリーグそのものが被害者であるという論点を、より正面から問う形になる。

[写真]=Getty Images
司法省が2025年10月に公表した起訴内容によれば、当時シャーロットに所属していたロジアーは、幼なじみのデニーロ・ラスターに対し、自身がその試合を早い段階で退くつもりだと伝えたとされる。さらにラスターは、その情報を賭博関係者へ流し、ロジアーの得点、アシスト、リバウンドのアンダーに多額の賭けが集まったという。実際、ロジアーはこの試合でわずか9分の出場にとどまり、5得点、2アシスト、4リバウンドに終わっている。
ロジアー側は、疑惑の事実関係そのものに加え、検察が当初適用した通信詐欺共謀や資金洗浄共謀という罪名の法的構成そのものに問題があると主張してきた。弁護側は、検察が無理のある法理論によって、スポーツ賭博上の不正を連邦詐欺事件として処理しようとしているとして、起訴棄却を申し立てていた。
今回の差し替え起訴は、そうした法的な弱点を補う狙いがあるとみられる。従来の構図では、ロジアーの行為によって、スポーツベッティングを運営するブックメーカー側が被害を受けたという視点だった。だが、新たな起訴では、シャーロット・ホーネッツやNBAもまた被害者であり、選手が所属先やリーグに対して負う忠実な役務を、賄賂によって裏切ったという構図へと組み替えようとしているようだ。
また、検察が「ロジアーが賄賂を要求し、受け取ったことを示す証拠を得た」と主張している点も、事件の空気を変える材料になりそうだ。追加起訴が正式に行われ、検察の主張が認められれば、この事件は単なる内部情報の共有ではなく、競技そのものの誠実性が侵害された事案として位置付けられることになる。

[写真]=Getty Images
なお、30人超が関与したとされるこの一連の大規模事件では、元NBA選手でアシスタントコーチ経験もあるデイモン・ジョーンズが、4月29日(現地時間28日)、ブルックリン連邦地裁で有罪を認めた。ジョーンズは、NBAの非公開情報を賭博関係者に提供したスポーツ賭博スキームと、不正に仕組まれたポーカー賭博スキームに関連し、2件の通信詐欺共謀について罪を認めたという。本件で有罪を認めたのは、ジョーンズが初めて。量刑は2027年1月に予定されており、報道によれば、スポーツ賭博事件では最長27カ月、ポーカー事件では最長78カ月の量刑レンジが示されている。
ロジアーの事件は、差し替え起訴によって次の局面に入ろうとしている。今後の争点は、単に内部情報を共有したかどうかではなく、試合の中身そのものを金銭との引き換えによって歪めたのかどうかへと移っていくこととなる。
文=Meiji
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