2026.01.16
アメリカ連邦検察当局(ペンシルベニア東部地区)は1月16日(現地時間15日)、賭博目的で試合の点差を調整する「ポイントシェービング」に関与したとして、26人を起訴したと発表した。起訴状によると、この不正スキームはNCAA(全米大学体育協会)ディビジョンI男子の試合を中心に、少なくとも17校、39人以上の大学選手、29試合以上に影響を及ぼしたとされている。
ポイントシェービングとは、試合の勝敗そのものではなく、賭博で設定される点差(スプレッド)に影響を与える目的で、故意に特定のプレーを行う行為を指す。終盤での不用意なターンオーバーや消極的なオフェンスなどにより、点差を広げない、あるいは詰めさせるといった形で賭博側に利益をもたらすのが典型例とされる。
検察当局の説明によれば、このスキームは2022年9月ごろに始まり、当初は中国の男子プロリーグ(CBA)の試合を対象とした賭博操作に関与していたグループが、後にアメリカの大学バスケットボールへと対象を広げたとされる。関係者は大学選手に接触し、1試合あたり1万ドルから3万ドルの金銭を提示した上で、賭博に有利となる試合展開を求めていたという。
起訴状では、賭博側が不正の発覚を避けるため、複数のスポーツベッティング業者や口座に賭け金を分散させていた点も指摘されている。アメリカではスポーツベッティングの合法化が進んでおり、その環境が結果的に不正の検知を難しくしていた側面もあるとみられている。
起訴対象者の中には、元NCAA選手が複数含まれているとされる。報道によれば、捜査資料の中で言及された大学には、デポール大学、フォーダム大学、テュレーン大学、セントルイス大学、イースタンミシガン大学、アビリーンクリスチャン大学、アラバマ州立大学などが含まれている。ただし、これらの大学やチームが組織的に関与していたと断定されたわけではなく、あくまで個別事案として捜査対象に挙がったものである。
なお、NCAA男子バスケットボールにおけるポイントシェービングは、今回が初めてではない。過去には、賭博と結びついた点差操作をめぐり、大学選手や関係者が当局によって起訴され、有罪判決を受けた事例が実際に存在する。そうした事件を受け、NCAAは競技の公正性を損なう行為としてポイントシェービングを明確に禁じ、規則整備や選手教育を強化してきた経緯がある。今回の起訴は、大学バスケットボールと賭博を巡る問題が、形を変えながら繰り返し司法の場で問われてきた歴史の延長線上にある事案と位置づけられる。
NCAAは今回の起訴を受け、「競技の公正性を守ることは大学スポーツにおける最優先事項である」との声明を発表し、捜査当局への協力姿勢を示した。今後は、各大学やカンファレンスによる内部調査、選手への処分、再発防止策の策定などが進められる可能性がある。
今回の発表は起訴段階であり、裁判を通じた事実認定や有罪判決が確定するまで、関係者の刑事責任が最終的に確定したわけではない。一方で、CBAで始まったとされる賭博スキームが、NCAAディビジョンI男子にまで波及したとされる点は、大学バスケットボールの競技環境と賭博を巡るリスクを改めて浮き彫りにしている。
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