2026.10.30
NBAの下部リーグ、Gリーグの2026-27シーズンが11月7日(現地時間同6日)に開幕。ロサンゼルス・クリッパーズ(以下LAクリッパーズ)の傘下チームであるサンディエゴ・クリッパーズ(以下SDクリッパーズ)でトレーニングキャンプを行っている河村勇輝も同日、フェニックス・サンズ傘下のバレー・サンズとの対戦で新シーズンを迎える。その試合が行われるSDクリッパーズの本拠地フロントウェイブ・アリーナで3日、河村はメディアデーに臨んだ。
LAクリッパーズと同じネイビーブルーを基調にしたSDクリッパーズのユニホーム。LAクリッパーズでプレシーズンを過ごしたときと同じ背番号17番をつけて、フォトグラファーの指示に従いポーズを取っていた河村。カメラに向かって「ウォー!」と叫ぶシーンでは、日本人メディアの注目を集めていたのもあってか、やや恥ずかしそうに、されど顔全体に力を入れて「ウォー!」と叫んだ。河村が試合中このように叫ぶ姿を、新シーズンでぜひ見てみたいものだ。
撮影を終えた河村は、すぐに日本人メディアの囲み取材に応じ、NBA本契約を目指すうえで、「毎日の練習だったり、Gリーグでの毎試合というものが大事になってくる」と語った。「その先、一番大きなところで言うと契約ですけど、毎日毎日、自分と向き合いながら、どうすればうまくなれるのか、どうすればNBAへの道につなげていけるのかというものを考えながら、目の前にある課題もしっかり整理してプレーしていきたい」と目標を掲げ、「いつでもシーズンが始まる前はワクワクする。長いシーズンも、毎年終わったときには早かったと思うので。まずは本当に大きなケガなく、全試合ベストコンディションで試合に出るということが自分のやるべきこと。そのためにはリカバリーの部分、食事の部分、トレーニングだったり、トリートメントだったり、そういったところも毎日意識しながら、全試合に出られるように準備していきたい」と意気込んだ。
河村は、この日のメディアデーに先立ち、10月30日(現地時間29日)にメディア対応した際、「ここでミニッツを取るのも簡単じゃない」と話していた。実際、2Way契約選手も含めたSDクリッパーズのトレーニングキャンプロスターは、18人中12人が25歳以上。NBA経験者は、ルーキーで2Way選手のニック・マルティネリを含め、少なくとも11人に上り、Gリーグとは思えないメンバーがそろう。

河村を評価しつつもチームの状況を説明したヒューイットHC [写真]=山脇明子
それゆえ、ポール・ヒューイットヘッドコーチも「ここにいる選手たちは皆、NBAでプレーすることを目標にしている」ときっぱり語った。「そこで私たちが強調しているのは、毎日欠かさず、自分自身の成長につながる行動をとる必要があるということだ。コート外でも適切な判断を下し、プレーの質を下げてしまうようなことは避けなければならない。十分な休息をとり、適切な食事をとり、正しい方法で、かつ懸命に練習に取り組むことだ。選手たちは、次のレベルへ進むために何が必要かを理解しており、そのためには、精神的にも肉体的にも覚悟を決める必要がある。NBAへのチャンスをつかむ可能性を最大限に高めるために、毎日やるべきことをやり抜くという決意が求められる」と、厳しさのなかにも選手たちの将来を思う言葉を並べた。
河村については、「彼はチームを勝利に導くことができる選手。パスの技術が非常に高く、スピードもあるため、チームメートのために簡単に得点できるチャンスをつくり出すことができる。今はディフェンス面で、ボール保持者に対してより強いプレッシャーをかけることにも取り組んでいる。NBAでプレーし、そこで生き残っていくためには、この部分を改善しなければならないと彼自身も理解している。彼はNBA経験があるが、NBAに定着することを目指している」と語った。さらに、「ここにいる選手たちの多くは、特にユウキのような選手は、まさに『よいチャンス』を求めている。そして、いったんそのチャンスを手にすれば、彼らは自分たちがNBAでプレーするに値する選手であることを証明してくれるはずだ」と期待を込めた。
河村によると、LAクリッパーズのティロン・ルーHCとは「結構コミュニケーションを取っていた」そうで、チームから解雇されたときに「こういった機会を作ってくれてありがとうございます」と伝えると、「これからチャンスは絶対来るよ。全然終わったわけじゃないから」と言ってくれたという。
また、同じチームでトレーニングキャンプを迎えられたことで、自らの将来も含め、バスケットボールに関わる話など、さまざまな相談をしていた八村塁にも、メッセージで「ありがとうございました」と伝えると、「プレシーズン中、すごく頑張ってたね。NBAのシーズンはまだまだ続くし、チャンスはあるから、とにかくやり続けて。LAとサンディエゴの間はドライブで2時間ぐらいかかるけど、何かあったらいつでも連絡して」と心強い言葉をもらえたと感謝した。河村によると、クリッパーズから契約解除される前から、「ウェイブされても今シーズンは、とにかくアメリカで挑戦したい」と八村には伝えていたそうだ。
開幕戦の7日は、LAクリッパーズにとってホームゲームの合間の空き日。ヒューイットHCによると、河村の出場時間にも関わってくる2Way選手が出場するか否かは、「まだわからない」そうで、最低でも1人はベンチ入りする予定だという。ただ、河村のローテーション入りについて問われると、「もちろんだ」と迷うことなく答えた。
他の選択肢には目もくれず、アメリカで、そしてSDクリッパーズでの挑戦を選んだ河村。3年目のシーズンは、どのような軌跡を描いていくのか。その歩みをしっかりと見守りたい。
文・写真=山脇明子
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