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【YUKIの現在地】「迷いはなかった」河村勇輝がSDクリッパーズで始動…八村塁のアドバイスと欧州の選択肢

SDクリッパーズで初のメディア対応を行った河村 [写真]=山脇明子
ロサンゼルス在住ライター

 晴れやかな表情だった。河村勇輝に迷いというものは、何もなかった。

 10月13日(現地時間12日)にエグジビット10契約を結んでいたロサンゼルス・クリッパーズ(以下LAクリッパーズ)から契約解除となった河村は同30日、クリッパーズ傘下のGリーグチーム、サンディエゴ・クリッパーズ(以下SDクリッパーズ)の一員として、LAクリッパーズのトレーニングキャンプメンバーだったときと同じコートで練習していた。

「(契約解除後、SDクリッパーズでやるということに)迷いはなかったですね」

 練習後、汗をぬぐってメディア対応に臨んだ河村は、開口一番こう言った。さらに言葉を続けた。

「Gリーグの環境で成長できると思ってこのチームを選びましたし、実際に今こうやって練習していて、すごく成長できていると感じているので。『その話』を聞いたときはちょっと考えはしましたけど、Gリーグでしっかりと経験を積みながら、NBAの契約を勝ち取ることが一番だとすぐに思いました」

『その話』とは、別の選択肢についての話だ。河村によると、LAクリッパーズから契約を解除されるより前の「ハワイのときだったりとか、フリータイムのときに」、日本代表チームとNBAクリッパーズの先輩である八村塁に「将来のビジョンについて」相談していたのだという。そのときに「もちろんNBAは世界最高峰のリーグだけど、ユーロリーグ(ヨーロッパのリーグ)という、すごく(レベルが)高いリーグも、成長できる環境の1つにあると思うよ」と言われていた。契約解除となったときにユーロリーグのチームからオファーがあったこともあり、八村の言葉が頭をよぎったのだ。さらに、「僕の(メンフィス・ハッスルのときの)仲間であるマオ・ペレイラも今パリでプレーしていますし、ユーロリーグのコンペティションのすごさは聞いていたので、そういう選択肢もあるのかなと考えた」のだという。

 だが、これまでユーロリーグでプレーすることを考えたことがなかった河村は、「まあ、一瞬でしたね。ユーロリーグは自分のNBAという道が難しくなったときに、次に考えるべき道なのかなと思ってるので。ずっとGリーグでやり続けるわけにもいかないので、自分のなかでアメリカに区切りがついたタイミングで、ヨーロッパも考えていけたらいいなと思っています」と笑みを見せた。

 八村は、河村が契約解除となったあと、「彼はキャンプ中頑張っていたので、そういうところはどんどん続けてほしいということと、自分の夢を追いかけるのも大事ですけど、彼ももう25歳なので、しっかり考えながら、スマートに決断をしてほしい」と話していた。それを受け止め、河村は「『3年目』と言葉にしていたのももちろんありますけど、自分のなかで、ここでやれる、契約を勝ち取れる自信があるというのもそうですし、一番自分が成長できるところ、そして自分が今実現したい夢に向けて、どこが最短距離なんだろうと考えたときに、ヘッドコーチがすごくいいと聞いていましたし、このGリーグに残るというのが、自分のなかで一番の選択肢だった」と力強く語った。そして、SDクリッパーズのポール・ヒューイットヘッドコーチ(HC)は、「勇輝はLAクリッパーズ(のフロントオフィス)と面談し、今後取り組むべき課題について計画を立てた。彼にとって最も重要なのは、ディフェンス面でボール保持者に対してより強くプレッシャーをかけること。スピードと俊敏性を生かして、より多くのターンオーバーを誘発し、スティールを狙っていく必要がある」と話し、LAクリッパーズの選手編成部門やコーチらの意見も踏まえて、河村の成長に努めていくつもりだ。

 過去2年は、「2Way選手」という立場だった。3年目の今シーズンは、過去2年のようにNBAとGリーグを行き来することはできないが、NBA30チームとの契約チャンスがある。

「楽しみですね。NBAの経験者がかなりいるチームなので、ここ(SDクリッパーズ)でミニッツ(出場時間)を取るのも簡単じゃないと思っていますし、僕も2年間2ウェイだったのでわかりますけど、2ウェイの選手がやっぱりたくさんのミニッツをもらって、彼らにプレーをつくるということが増えてくると思うので、そのなかでコントロールできないことはあると思いますけど、とにかくゲームチェンジャーみたいな形で、ディフェンスだったり、3ポイントシュートをしっかりワイドオープンで決めきったり、ゲームをコントロールしたりという、この3つを(出場)分数に限らずやり続けていけば、必ずどこかのチームがピックアップしてくれると思うので、それを信じてやり続けるだけ」と意気込んだ。

 河村が目指す本契約とは、たとえそれが無保証であっても、どんな契約であっても、「チームの一員としてNBAの試合でミニッツをもらい、役割を与えられるような選手」として、そのなかで「結果を出せる選手」として、存在することだ。

「自分の中で、この1年が最後のシーズンだと思いながらプレーするわけではないので、最初に3年計画とは言いましたけど、自分が成長できる環境と自分の夢の部分をちゃんと考えながら、プレーする場所を選んでいきたいなと思っています。今回、Gリーグスタートではありますけど、とにかく本契約を取るために自分に必要なのは、ディフェンスの改善と3ポイント」

「ディフェンスでは、とにかくスティールを狙いに行けと言われているので、多少ギャンブルしながら、今シーズンはGリーグで平均2スティールを目標にしたい」

 目標を語る言葉は止まらない。それほどまでに、Gリーグで迎える3年目のシーズンに向けた河村の胸は高鳴っている。

文=山脇明子

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