2018.03.25
2月19日(現地時間18日)に迫った「NBAオールスターゲーム2018」。今年はイースタン・カンファレンスとウエスタン・カンファレンスによるゲームではなく、レブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ)がキャプテンを務める「TEAMレブロン」と、ステフィン・カリー(ゴールデンステート・ウォリアーズ)がキャプテンを務める「TEAMステフィン」というオリジナルチームの対決という形で行われる。そこでバスケットボールキングでは、今年のオールスター出場選手を、チーム別でそれぞれ紹介していく。
■TEAMレブロン選手紹介⑩
カイリー・アービング(ボストン・セルティックス)
ガード/190センチ/88キロ/キャリア7年目
<NBAにおける主な記録・功績>
優勝(クリーブランド・キャバリアーズ):1回(2016)
新人王(ROY):2012
オールNBAサードチーム選出:1回(2015)
オールスターMVP選出:1回(2014)
オールスター選出:5回(2013,14,15,17,18)
<2017-18シーズン 個人成績>
平均32.8分24.8得点3.7リバウンド5.0アシスト1.1スティール
※2月9日(現地時間2月8日)終了時点
ボストンで心機一転、ショットが不発でも勝利へと導けるMVP候補へ
昨夏のトレードでセルティックス入りしたカイリーは、開幕戦でゴードン・ヘイワードが負傷離脱したショックを乗り越え、チームをイースタン・カンファレンスのトップへと導いている。開幕3戦目からは怒濤の16連勝と、今季リーグ最長の記録を残している。
11月17日(同16日)のゴールデンステート・ウォリアーズ戦では接戦の展開から第4クォーターに11得点を挙げて勝利に大きく貢献した。この試合、カイリーはフィールドゴール16投中成功わずか4本と不調だったものの、フリースローで得点を稼いでいた。さらには6アシスト、ターンオーバー1本と堅実なプレーも披露。「どこにいようと何人もディフェンダーが目の前にいたから、オープンのチームメートにパスしようとトライした。素早い判断が求められたけど、うまくできたと思う」と現地メディア『masslive.com』へカイリーは語っていた。
その一方、1月28日(同27日)の再戦ではフィールドゴール18投中13本、3ポイントシュートは6投中5本も成功させて37得点を奪っている。試合には敗れてしまったとはいえ、カイリーが“アタックモード”に入ればいつでも30得点以上は可能、ということをアピールしてみせた。
1月中旬、セルティックスは4連敗と苦しんでいた時期があった。その頃、現地メディア『ESPN』に対してカイリーは「これもゲームの一部。共に学び、この状況からどのように抜け出すことができるのかを考えるんだ。俺たちが成長するために必要な要素なのかもしれない。俺たちはもっとハードにプレーしていかなきゃならない。そうしてこの嵐を乗り切るのさ」と語り、チームを鼓舞。そして自ら進んで前に出て、チームを再び上昇気流に乗せた。
2月9日(同8日)終了時点で、セルティックスはイーストトップの40勝16敗。ウォリアーズ、ヒューストン・ロケッツに次ぐリーグ3位の成績を残している。今季のMVP最有力候補には、60得点でトリプルダブルを達成するなど強烈なインパクトを残すジェームズ・ハーデン(ロケッツ)の名前ばかりが報道されているのだが、カイリーもMVP有力候補に挙げられて当然だろう。
ウォリアーズのコアメンバーは昨季と同じで、ロケッツにしても、ハーデンを軸とするコアメンバーにクリス・ポールら強力な新戦力が加わったチーム構成だ。しかしセルティックスは、カイリーをはじめ、ジェイソン・テイタムやマーカス・モリスなど昨季からコアメンバーのほとんどが入れ替わっている。その中で、リーグ3位の好成績を残しているのだから見事というほかない。
今季のカイリーは、個人成績で大きなインパクトがないものの、エースとして勝利に必要な得点を着実に奪い、白星へと結びつけている。今季もフィールドゴール成功率48.5パーセント、3ポイントシュート成功率39.8パーセント、フリースロー成功率88.6パーセントと、高精度のショットは健在なだけに、イーストトップでシーズンを終えることができれば、「カイリーこそがMVP」という評価へ変わっても、決しておかしくはない。
<オールスターモーメント>
2014年の大会MVPは、ショット全般で驚異的な成功率を記録
カイリーはオールスターというイベントにめっぽう強い。まず3ポイントコンテストには計4度出場し、13年に優勝、17年は2位に入った。12年にはスキルズチャレンジに出場した経験を持ち、ライジングスターズでは12年に34得点9アシストを挙げてMVP。このゲーム、カイリーはフィールドゴール13投中12本成功、3ポイントは8本すべてを決め切ってみせた。13年も32得点6アシストという好成績をマーク。過去4度のオールスター本戦では、14年に31得点14アシストでMVPを獲得しており、4戦合計で歴代11位タイとなる平均19.8得点。そして恐ろしいのは、フィールドゴール成功率65.3パーセント、3ポイントシュート成功率53.8パーセント、フリースロー成功率は100パーセントと、アンストッパブルなスコアリングマシンになっていること。
<今年のオールスターにおける注目点>
チームメートとの連係、そしてカイリーが繰り出す無数のテクニック
やはり注目は、昨季までチームメートだったレブロン・ジェームズと共にプレーすること。3シーズン連続でファイナルまで勝ち進んだレブロンと、息の合ったプレーをコート上で見せてくれるに違いない。16年夏に行われたリオデジャネイロ・オリンピックのチームメート、ケビン・デュラントやポール・ジョージとも、笑顔を見せながら楽しんでプレーできるはず。そしてもちろん、カイリー自慢のボールハンドリングや見事なアーチを描くレイアップ、時折見せる矢のようなパスも、バスケットボールファンなら見逃せない。さらに、アウトサイドから放たれるショットの数々も高確率でネットを通過することだろう。
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