復帰初戦のエンビードが4Qに躍動！シクサーズがヒートを下してシリーズ2勝目

約1か月ぶりの復帰となったエンビードが、チームトップの23得点をマークしてシクサーズの勝利に大きく貢献[写真]=Getty Images

バスケットボールキング編集部

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4Q中盤の7連続得点でリードを2ケタに広げたエンビード

　4月20日（現地時間19日）、フィラデルフィア・セブンティシクサーズ（1勝）とマイアミ・ヒート（1勝）のシリーズ第3戦が、ヒートのホーム、アメリカン・エアラインズ・アリーナで行われた。

　タイラー・ジョンソン（ヒート）の3ポイントシュートで幕を開けた第3戦。第1クォーター残り10分26秒にもT.ジョンソンが3ポイントシュートを成功。2本ともジェームズ・ジョンソンがアシストを記録し、ホームのヒートが順調な滑り出しを見せる。

　一方シクサーズは、脳震とうと左目の眼窩骨折の手術を受けてから、約1か月ぶりにオールスターセンターのジョエル・エンビードが戦列復帰。同クォーター残り9分54秒にフリースローを2投とも成功させ、シクサーズも徐々に加点していった。

　ヒートはゴラン・ドラギッチの3ポイントプレー、J.ジョンソンのダンクが決まってこのクォーター残り6分16秒に16－12と4点リードすると、すかさずシクサーズが反撃。ロバート・コビントンの3ポイントシュートとマルコ・ベリネリのジャンパーで逆転（17－16）してみせた。

　シクサーズは残り約5分からベリネリが2本、JJ・レディックが1本を決める3ポイント攻勢もあり、10連続得点を挙げると、ヒートはベンチスタートのジャスティス・ウィンズロウが台頭。残り約3分間に2本の3ポイントシュートと4本のフリースローを決めて10得点をマークした。しかしシクサーズもベンチスタートのベテラン、ベリネリが11得点と大当たりを見せ、37－33というハイスコアの中、シクサーズ4点リードで最初の12分間を終える。

　第2クォーター開始から約2分。両チームのスコアが動かない中、ヒートはフリースローでウィンズロウやハッサン・ホワイトサイドが加点し、シクサーズはベン・シモンズやエンビードが応戦。そんな中、同クォーター残り7分22秒にドラギッチの3ポイントプレーでヒートが同点（43－43）とすると、点の取り合いに発展。前半残り2.1秒にバム・アデバヨのショットが決まり、ヒートが1点リード（64－63）してハーフタイムへ。

13投中8本のショットを決めたドラギッチ。ターンオーバーはゼロでアシスト8本という抜群のボールコントロールを見せた[写真]=Getty Images

　後半開始から約2分、ドラギッチが7得点を奪取したヒートが最大5点のリードを得るも、シクサーズもレディックやダリオ・シャリッチがショットを決めて対抗し、徐々に点差を縮めていく。すると第3クォーター残り6分29秒、エンビードが3ポイントシュートを決めてシクサーズが同点（78－78）に追いつくと、徐々にシクサーズのペースへ。同クォーター終盤を控えのTJ・マッコネルが繋ぎ、シクサーズが2点リード（96－94）で最終クォーターを迎える。

　第4クォーター。シクサーズはシモンズとレディックの得点でリードを6点（100－94）に広げ、残り9分11秒にはシモンズのフリースローで10点差（105－95）をつけた。今度はヒートがホワイトサイドやJ.ジョンソンが加点し、残り6分51秒にはジョシュ・リチャードソンの3ポイントシュートで5点差（102－107）まで追い上げに成功。

　だがこの日のシクサーズにはエンビードがいた。ジャンパー、3ポイントシュート、フリースローを立て続けに決めて7連続得点を挙げ、シクサーズに2ケタリードをもたらした。その後、ヒートは点差を1ケタにすることができず、最終スコア128－108でシクサーズが勝利。アウェーでシリーズ2勝目を手にし、2勝1敗とリードした。

エンビードの7連続得点が、終盤にヒートを突き放す最大の要因となった[写真]=Getty Images

復帰した大黒柱を指揮官が絶賛

　シクサーズではエンビードが23得点7リバウンド4アシスト3ブロック、シャリッチが21得点7リバウンド4アシスト、シモンズが19得点12リバウンド7アシスト4スティールを挙げるなど、先発全員が2ケタ得点。ベンチからはベリネリが4本の3ポイントシュートを決めるなど21得点5アシストの活躍を見せた。

　敗れたヒートは、ドラギッチが23得点8アシスト、リチャードソンが14得点、J.ジョンソンが12得点7リバウンド5アシスト。ベンチからはウィンズロウが19得点10リバウンド2ブロックをマーク。プレーオフキャリアハイとなる19得点を挙げたウィンズロウだったが、得点はすべて前半で挙げたもので、後半は無得点に落ち込んだ。

　試合後の会見で、シクサーズのブレット・ブラウンHCはエンビードについて「彼はコートに出て、すばらしいパフォーマンスを披露し、プロフェッショナルな姿勢を見せてくれた。シーズン終盤に欠場していた中で、プレーオフ、しかもアウェーのゲームにおいてマスク着用でプレーした。私は彼のことをとても誇りに思う」と絶賛。

　マスク着用について、エンビードは「確かにイライラする。でも、俺がゲームでプレーすることができる唯一の方法なんだ。ゴーグルとともにこのマスクが俺を守ってくれる。この状態でプレーしなきゃならないが、今日はできたね」と現地メディア『AP』へ語った。

　エンビードが復帰したことについて、ウィンズロウは「オールスター選手がラインナップに戻ったことで、明らかに別のチームに見えた。彼が変えたんだ。それは間違いないね」と言い残し、会場を後にした。

　第4戦は22日（同21日）、ヒートのホームで行われる。シクサーズがシリーズ突破に王手をかけるのか。それともヒート逆襲で2勝2敗のタイに持ち込むのか。好ゲームが続くこのシリーズは今後も目が離せない。