2018.05.05
4月15日(現地時間14日)から、計16チームによる今シーズンの王座を懸けた激闘、「NBAプレーオフ2018」が幕を開けた。バスケットボールキングでは、プレーオフ出場チームやシリーズ勝敗予想に加え、これまでのプレーオフにおける名シーンや印象的なシリーズ、ゲームなども順次お届けしていく。
<プレーオフ特別企画⑱>
ウエスタン・カンファレンス・セミファイナル プレビュー Part.1
ゴールデンステート・ウォリアーズ×ニューオリンズ・ペリカンズ
■2017-18シーズン成績
ウォリアーズ>58勝24敗(ウエスタン・カンファレンス2位)
ペリカンズ>48勝34敗(ウエスタン・カンファレンス6位)
■2017-18シーズン直接対決戦績
ウォリアーズが3勝1敗
■ウォリアーズ
チームの主軸ステフィン・カリーを欠いたシーズン終盤戦。ウォリアーズは最後の4試合を3敗で終え、その3試合で平均123.7失点を喫していたものの、サンアントニオ・スパーズとのファーストラウンドでは5試合平均96.8失点、ディフェンシブ・レーティングでは101.9と劇的に改善。見事、短期間でプレーオフ仕様のディフェンスへと立て直した。
オフェンス面でも、ケビン・デュラントが平均28.2得点、クレイ・トンプソンが平均22.6得点、ドレイモンド・グリーンが平均11.4得点を挙げ、チーム全体で105.6得点をマークしており、カリー不在と考えれば上々の出来と言っていい。グリーンの平均8.0本を筆頭に、チーム全体で平均26.8アシストを記録しており、フィールドゴール成功数の約7割がアシストからの得点と、ボールムーブメントも健在。
ただし、強みの1つである3ポイントシュート成功率で33.6パーセントだったことは懸念材料。トンプソンが51.6パーセント、アンドレ・イグダーラが41.2パーセントの成功率を残したものの、デュラントはわずか25.0パーセント、グリーンが28.6パーセントと不調に終わっていた。
それでも、その分を補って余りあるほどのディフェンス力を発揮。ペイント内のディフェンスが秀逸で、ペイント内における失点率は33パーセント、制限エリア内(リム付近)では平均26.8失点と、鉄壁のディフェンスを見せている。
気になるカリーの状態だが、チーム練習には復帰しており、4月28日(同27日)の練習後には「彼は間違いなくエキサイトしている。近日中に復帰するだろう」とスティーブ・カーHCがコメントしており、カリー自身も「膝はとてもいい状態さ。いつもこなしている動きをしても、痛みは感じていない」と語っていることから、29日(同28日)のシリーズ初戦から出場する可能性もありそうだ。
■ペリカンズ
第6シードとして臨んだポートランド・トレイルブレイザーズとのシリーズで、4戦無敗のスウィープ勝ちを収めたペリカンズは、今最も勢いに乗っているチームの1つであることは間違いない。
4月5日(同4日)のメンフィス・グリズリーズ戦から5連勝でレギュラーシーズンを終え、プレーオフ1回戦を含めると現在9連勝中だ。この期間中、ペリカンズは平均118.2得点を奪い、フィールドゴール成功率51.8パーセント、3ポイントシュート成功率39.6パーセントという見事なオフェンスを展開している。
ブレイザーズとのシリーズではアンソニー・デイビスが平均33.0得点、ドリュー・ホリデーが平均27.8得点、さらにニコラ・ミロティッチが平均18.3得点を挙げており、いずれもフィールドゴール成功率で56パーセント以上を残す好調ぶり。ブレイザーズとのシリーズでは、第1クォーターからオフェンスで圧倒しており、このクォーターでは100ポゼッションあたり26得点も上回っていた。
また、ベテランのラジョン・ロンドの働きも見逃せない。ブレイザーズとのシリーズでは平均13.3アシストと抜群のパスさばきを見せ、コート上で強烈な存在感を放っていた。今季ロンドが12アシスト以上を記録した試合で、ペリカンズは15勝2敗という圧倒的な勝率を残している。また、チーム全体で29アシスト以上した試合では22勝6敗を記録していることから、ロンドのプレーが勝敗のカギを握ることとなるだろう。
■シリーズ予想 ウォリアーズ 4-2 ペリカンズ
シーズン中の直接対決ではウォリアーズが3勝1敗とリードしているものの、現有戦力による対決は4月8日(同7日)の1試合のみ。この日はペリカンズが6点差で勝利しているのだが、ウォリアーズはカリーだけでなく、ジャベール・マギーとザザ・パチューリアも欠場していたため、シリーズのプレビューとして的を射ているとは言えない。
もっとも、ペリカンズとしてはミロティッチをスターターに昇格させ、速いテンポで勝ち始めた時期の試合で、デイビス、ホリデー、ミロティッチがそれぞれ25得点以上、ロンドが17アシストをマークしており、理想的な展開に持ち込めたと言えるだろう。
そのため、デイビスは27日(同26日)のチーム練習後、自信たっぷりに語っていた。
「俺たちは彼らを打ち負かすことができると知ってる。レギュラーシーズンでもやってみせたしね。だから自分たちの力に対して、ものすごく自信をもっている。彼らがショットを決めて大量得点してくるとタフになるけど、俺たちは彼らからボールを奪い取り、素早くプッシュして速い展開に持ち込むことができるようにするさ」。
デイビスがウォリアーズに対して自信を持っていることは明らかだ。シーズン中の対決でも3試合で平均33.0得点を記録しており、フィールドゴール成功率もすべての試合で50パーセント以上をマーク。最もマッチアップしてきたグリーン相手でも51.7パーセントという高確率でショットを決めてきた。
ペリカンズとしては、1回戦終了後に「僕が輝く時が来たと感じている」と語ったホリデー、好調を維持するミロティッチのショットが、このシリーズを長引かせる生命線となるだろう。特にホリデーに対して、ウォリアーズはトンプソンやイグダーラといったディフェンス巧者を入れ替わりでぶつけてくることが予想される。そのため、ホリデーがウォリアーズ相手に高得点することが、ペリカンズ勝利のポイントとなりそうだ。
一方、ウォリアーズはペリカンズとのシーズン中の対戦でカリーが平均28.7得点、デュラントが27.3得点と猛威を振るっていた。デュラントにマッチアップするのは、1回戦でリラードをシャットアウトしたホリデーが濃厚。シーズン中でも最も多くマッチアップしていたからだ。しかし、デュラントはプレーオフでミドルレンジからのショットが絶好調。67パーセントという驚異的な成功率を残しており、イートワン・モアやソロモン・ヒルが相手でも、高さという圧倒的なアドバンテージがある。
よって、ウォリアーズが4勝2敗でシリーズを突破すると予想。復帰してくるカリーが本調子であれば、シリーズ決着はさらに早まるかもしれない。
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