2018.10.19
2004年のアテネオリンピック。アメリカ代表はアレン・アイバーソン(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)やティム・ダンカン(元サンアントニオ・スパーズ)を中心とした布陣で挑んだものの、銅メダルに終わった。
これにより、“初代ドリームチーム”として臨んだ1992年のバルセロナオリンピックで金メダルを勝ち取って以降、2000年のシドニーオリンピックまで続いていたアメリカ代表による連覇の記録が途絶えてしまった。2002年にインディアナポリスで行われたFIBA世界選手権(現ワールドカップ)で6位に終わっていたこともあり、USAバスケットボールは汚名返上すべく、デューク大の“コーチK”ことマイク・シャシェフスキーHCをアメリカ代表の指揮官に据えた。
コーチKの下、アメリカ代表は06年に日本で行われたFIBA世界選手権で3位となり、08年の北京オリンピックでは名誉挽回を期して“リディームチーム(Redeem Team)”と称され、必勝態勢で臨んだ。
このチームにはレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)やカーメロ・アンソニー(現ヒューストン・ロケッツ)、ドウェイン・ウェイド(現未所属)、クリス・ポール(現ロケッツ)といったメンバーに、コービー・ブライアント(元レイカーズ)やジェイソン・キッド(元ダラス・マーベリックスほか)といったベテランも加わり、圧倒的な強さでトーナメントを勝ち上がり、決勝でもスペインを11点差で下して金メダルを獲得。
リーグ屈指のスーパースターたちによる共演の中、大会中に最も輝いていたのがウェイドだった。06年にヒートを初優勝へと導いた最大の殊勲者は直近2年でケガに苦しんでいたのだが、このオリンピックで本来のパフォーマンスを取り戻したと言っても過言ではないほど、鮮烈なプレーを披露していた。
スペインとの決勝戦からちょうど10年が経過した8月25日(現地時間24日)、コーチKが現地メディア『Yahoo Sports』とのインタビューで当時を振り返っていたので紹介したい。
コーチKはその年のオリンピックで、ベンチから出場し、約19分のプレータイムながらチームトップの平均16.0得点に加えて4.0リバウンド1.9アシスト2.3スティールをマークしたウェイドを絶賛している。
「シックスマン、あるいはベンチから出てくる選手として、私が指揮した5度のチャンピオンシップでドウェイン・ウェイド以上の活躍を見せた選手はいない。彼は2008年の北京オリンピックでそれを率先して示してくれた」。
その年、コーチKの下でACを務めていたジム・ビヘイム(シラキュース大HC)も、ウェイドに対してこんな言葉で絶賛していた。
「彼は我々のチームにおいて、ベストプレーヤーだったかもしれない。本当に超人的だったんだ」。
08年のオリンピック金メダルから10年。36歳となったウェイドは、マイアミ・ヒートのバスケットボール運営部門代表のパット・ライリーからもラブコールを受ける中、まだ去就が決まっていない。仮に再契約を結んだとしても、今季限りで引退する可能性もあるという。
まばゆい輝きを放っていた当時のウェイドを知るファンや関係者にとっては、大ベテランとなった今でも「たとえ1プレーであろうと、ウェイドならば何か特別なことをやってくれる」、そんな思いが残っているのかもしれない。
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