2018.10.24
世界最高のプロバスケットボールリーグ、NBAの2018-19シーズンが10月17日(現地時間16日)に幕を開ける。82試合という約半年におよぶレギュラーシーズンを前に、バスケットボールキングではカンファレンス プレビューや注目チーム、プレーヤーランキングなどをお届けしていく。
注目チーム第4弾は、ジョエル・エンビードとベン・シモンズというリーグ屈指の若手スターが所属するシクサーズ。昨季6年ぶりにプレーオフへ返り咲いた古豪は、イースタン・カンファレンスの優勝候補の一角として今季に臨む。まずは今オフの動向をチェックしていこう。
※データは現地時間10月15日現在、G=ガード、F=フォワード、C=センター、FA=フリーエージェント
■新加入
ジョナ・ボールデン(F)
ウィルソン・チャンドラー(F)
シェイク・ミルトン(G/2way)
マイク・マスカーラ(F-C)
ランドリー・シャメット(G)
ザイア・スミス(G)
■残留
ジェリッド・ベイレス(G)
ロバート・コビントン(F)
ジョエル・エンビード(F-C)
マーケル・フルツ(G)
ディミトリアス・ジャクソン(G/2way)
アミア・ジョンソン(C-F)
フルカン・コルクマズ(G-F)
TJ・マッコネル(G)
JJ・レディック(G)
ダリオ・シャリッチ(F)
ベン・シモンズ(G-F)
■退団
ジャスティン・アンダーソン(F/アトランタ・ホークス)
マルコ・ベリネリ(G/サンアントニオ・スパーズ)
リショーン・ホームズ(C/フェニックス・サンズ)
アーサン・イリヤソバ(F/ミルウォーキー・バックス)
ティモテイ・ルワウ・キャバロ(F/オクラホマシティ・サンダー)
■予想スターター
PG>ベン・シモンズ
SG>マーケル・フルツ
SF>ロバート・コビントン
PF>ダリオ・シャリッチ
C>ジョエル・エンビード
シクサーズは今夏、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)やカワイ・レナード(トロント・ラプターズ)、ポール・ジョージ(オクラホマシティ・サンダー)といった大物選手を加えて優勝候補筆頭へ浮上するプランを掲げていたが、1人も獲得できずに終わった。
それでも、このチームは攻防兼備のオールスターセンター、エンビードと208センチの超大型ポイントガードのシモンズというリーグでも指折りの若手スター選手を擁しており、両選手の周囲にはフルツやシャリッチといった魅力的なヤングコアが在籍している。
また、今夏ベテランのレディック、ジョンソンとの再契約に成功し、両フォワードをこなすチャンドラーやビッグマンのマスカーラをロースターに加えた。このほかにも昨季オールディフェンシブファーストチームに選出されたコビントンや司令塔のマッコネルといった選手がおり、イーストを制することができるほどの選手層を誇る。
昨季イースト3位の52勝30敗を挙げ、プレーオフではカンファレンス・セミファイナルまで勝ち進んだシクサーズ。エンビードやシモンズの派手なプレーが印象的ながら、このチームの真骨頂はディフェンスにある。昨季はディフェンシブ・レーティング(100回のディフェンスにおける失点)でリーグ3位(103.8点)、被フィールドゴール成功率(43.4パーセント)は堂々リーグトップ、被3ポイント成功率でもリーグ2位の34.2パーセントと優れたディフェンスを見せていた。
ロースターに多少変更があったとはいえ、今季もこのディフェンス力を軸に、勝ち星を量産していくことが現実的なシナリオと言っていい。
今季、シクサーズの最終結果を最も左右するのはフルツのパフォーマンスになるだろう。ブレット・ブラウンHCからベンチスタートを提案されたレディックが「チームのためになるなら何でもする」と返答したことで、今季はフルツが先発シューティングガードに入ることになるからだ。
フルツはプレシーズン4試合をプレーして平均9.0得点、フィールドゴール成功率43.2パーセント、3ポイント成功率20.0パーセントと、レディック(平均15.8得点)より劣っているものの、今後シクサーズがエンビードとシモンズによるスーパーデュオから“ビッグ3”へと進化するためには、フルツの成長が不可欠となる。そのため、フルツがどこまでチャンスを自分のモノにすることができるかは大きなポイントとなる。
エンビードの長期離脱の可能性、シモンズのアウトサイド強化という面では不安が残るものの、レギュラーシーズン中であれば、既存戦力で十分カバーできる選手層を持っているため、深刻な問題にはならないと見る。
ただし、プレーオフという大舞台でこの2点が解決されていなければ、昨季1勝4敗で惨敗してしまったボストン・セルティックスやイースト屈指の戦力を誇るラプターズといったライバルチームを蹴散らすことは厳しいというのが現状だろう。
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