2019.06.27
2006年のドラフト2巡目全体35位でトロント・ラプターズに指名されてNBA入りしたPJ・タッカーは、ルーキーシーズン終了後、イスラエルを皮切りにウクライナ、ギリシャやイタリア、ドイツを渡り歩いてきた苦労人。
12-13シーズンからNBAに復帰し、ここ2シーズンはヒューストン・ロケッツで先発パワーフォワードを務めている。3月20日(現地時間19日)終了時点で、タッカーは71試合に出場し、キャリアハイの平均34.8分をプレー。平均7.5得点6.0リバウンド1.2アシストに自己最高の1.7スティールを挙げている。
198センチ111キロという屈強な肉体を武器にディフェンスではマルチな働きを見せており、ロケッツに不可欠な存在となったタッカー。オフェンスではジェームズ・ハーデンやクリス・ポールといった有能なプレーメイカーのパスを受け取り、3ポイントを決め切る仕事を十二分にこなしている。
21日(同20日)に現地メディア『CBS Sports』へ掲載された記事の中で、ロケッツのディフェンスにおいて重要な役割を担うタッカーがステフィン・カリーとKDことケビン・デュラント(共にゴールデンステイト・ウォリアーズ)に対するディフェンスについて語っていたので紹介したい。
ロケッツは昨年のプレーオフで、ウォリアーズとカンファレンス・ファイナルの第7戦にまで及ぶ激闘を演じてきた。中でもタッカーはチームトップの平均38.9分間もコートに立ち、8.7得点9.0リバウンド1.9アシスト1.3スティールをマークし、48.1パーセントという見事な3ポイント成功率を残していた。
「いつも言っているように、彼らのオフェンスに対して、通常の2倍くらいハードにプレーしなきゃならないんだ。特にこのリーグにはきわめて優れたスコアラーがいる。彼らをガードすることは世界で最も大変なことだと思うよ」とタッカーは言う。
そしてカリーとデュラントに対するディフェンスについて、タッカーはこのように語っている。
「カリーを追いかけまわすこともそうだし、異様に長い腕を持つデュラント(のガード)もすごくタフなんだ。彼らの動きを把握して抑え込もうとしているし、よりフィジカルの強さを活かすようにしているけど、本当にたくさんのことをやらなきゃいけないし、とてつもないハードワークが求められるんだ」。
今季、ウォリアーズとの戦績を3勝1敗としているロケッツは、プレーオフで激突してどうにかして倒したいと思っているに違いない。その中で、やはりタッカーの存在は大きい。
ハーデン、ポール、エリック・ゴードンと共に、タッカーは勝負どころで形成するスモールラインナップでビッグマンとのマッチアップを担うだけでなく、スイッチでカリーやデュラントをガードする場面もある。
リーグ史上有数のスコアラーとして君臨するカリーとデュラントをガードすることは「誰もやりたがらないこと。望ましいことなんかじゃない」とタッカー本人が言うように、きわめて困難なこと。それでも、タッカーはチームの勝利に貢献すべく、黙々と自らの仕事を全うする。
ロケッツが誇る仕事人タッカーが毎試合見せる献身的なプレーの数々は、プレーオフを勝ち抜くうえでマストな要素と言っていい。
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