2019.04.12
4月3日(現地時間2日)。2連敗中のオクラホマシティ・サンダーは、ホームのチェサピーク・エナジー・アリーナでロサンゼルス・レイカーズとの一戦を行った。
サンダーはプレーオフ出場こそ決めているものの、サンアントニオ・スパーズやロサンゼルス・クリッパーズ、ユタ・ジャズとシード順を巡って争っているため、レブロン・ジェームズを筆頭に複数の主力を欠くレイカーズを相手に容赦なく襲い掛かった。
この試合、サンダーはファストブレイクによる得点でレイカーズを34-8と圧倒。レイカーズから21本ものターンオーバーを誘発し、最終スコア119-103で勝利を収めた。ジェレミー・グラントの22得点をはじめ、ポール・ジョージが19得点6リバウンド5アシスト5スティール、テレンス・ファーガソンとデニス・シュルーダーがそれぞれ15得点、スティーブン・アダムズが13得点8リバウンド5ブロックをマーク。
そして大黒柱のラッセル・ウェストブルックが今季31度目のトリプルダブルを達成。しかもこの日は20得点20リバウンド21アシストに3スティールで、キャリア初となる20得点20リバウンド20アシスト超えとなった。
過去に同等の数字を残したのは、伝説の巨人ウィルト・チェンバレン(元フィラデルフィア・ウォリアーズほか)のみ。1968年2月3日(同2日)のデトロイト・ピストンズ戦で、当時フィラデルフィア・セブンティシクサーズに所属していたチェンバレンは22得点25リバウンド21アシストを記録。ウェストブルックは、実に約51年ぶりに“20-20-20”を達成した史上2人目の選手に。
歴史的なパフォーマンスを残したウェストブルックは、この試合を前にサンダー側のベンチで4月1日(同3月31日)に銃殺されてしまった友人、ニプシー・ハッスル(ラッパー/享年33)の楽曲”Grindin’ All My Life”を聞き、ボールを突きながら口ずさんで踊っていた。
試合を終えて「ニプシーに捧げる!」と『ESPN』へ開口一番に語ったウェストブルック。「この試合をプレーできて最高だ。でもこれは自分のためじゃない。ニプシーのためだったんだ」と明かすと、こう続けた。
「安らかに眠ってくれ、ニプシー。俺はただ、コートに出てハイレベルで競い合うことができて感謝している。ここにいるチームメートたちとプレーできてうれしいし、大好きなゲームをプレーすることができて感謝しているし、こんな記録を達成できて恐れ多いね」。
今季31度目のトリプルダブルを記録したウェストブルックは、2016-17シーズンに自身が残した42回に次ぐ自身2番目の高数字に到達。31回は67-68シーズンのチェンバレンと並ぶ歴代3位タイ。3シーズン連続の平均トリプルダブルもほぼ確実なところまで迫ってきている。
「本当に信じられない瞬間だ。もちろん俺は当たり前のことだと思っていないし、簡単に達成できることじゃないことはわかってる。正直な話、何て言えばいいのか分からないし、言葉が浮かんでこないよ。俺はただ、自分ができることをしていくだけさ」とウェストブルックは意気込む。
レギュラーシーズンも残り4試合。サンダーにはますます勢いをつけて、プレーオフを迎えてほしいところだ。
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