2019.05.19
フィラデルフィア・セブンティシクサーズとのイースタン・カンファレンス・セミファイナルで、トロント・ラプターズは第4戦から2連勝を記録し、3勝2敗とシリーズ突破に王手をかけている。
シクサーズはブルックリン・ネッツとのファーストラウンド計5戦でいずれも100得点以上を奪い、シリーズ平均122.4得点を挙げていたものの、ラプターズとのシリーズでは5試合のうち100得点を超えたのは1度のみ。ここまでシリーズ平均98.0得点にとどまっている。
ジミー・バトラーがシリーズ平均22.6得点でシクサーズをけん引しているものの、オールスターセンターのジョエル・エンビードは体調不良や胃腸炎などに苦しみ、平均17.0得点にフィールドゴール成功率38.3パーセントと不発。特に第4戦では11得点、第5戦でも13得点に終わった。
これはラプターズが誇るビッグマン、マルク・ガソルとサージ・イバカによる影響が大きい。トロントの地元メディア『Toronto Sports Net』によると、直近2試合においてガソルとイバカがコートでプレーしていた計37分で、ラプターズはシクサーズを100ポゼッションあたりわずか86.7失点に抑え込んでいるという。
レギュラーシーズンで記録していた87.1失点をも上回る高数字をたたき出しているガソルとイバカは、今年2月のトレードでガソルがメンフィス・グリズリーズから加入して結成されたデュオなのだが、ディフェンス面で貴重な働きを見せていると言っていい。
ガソルのシリーズ平均は32.4分9.4得点5.0リバウンド3.4アシスト、イバカは20.6分7.0得点4.6リバウンド1.0ブロックと、特筆すべき数字こそ残していないものの、かつてウエスタン・カンファレンスで覇権争いを繰り広げてきた両ビッグマンは、ラプターズの勝利に欠かせない仕事ぶりでチームに大きく貢献。
スペイン代表チームの一員としても一緒にプレーする両選手に対して、司令塔を務めるカイル・ラウリーは「彼らは一緒にプレーすることで、さらに良くなっているね」と言及。そしてこんな裏話を明かした。
「あの2人はコートにいる時、スペイン語で話しているんだ。彼らが何を言ってるのか、僕らには分からないけど、彼らがやっていることは分かってる。あの2人には引き続き頑張ってほしいね。彼らがいることで、僕らはより大きくなるし、アスレティックかつ強じんなラインナップになる。僕らにはこのラインナップが必要なのさ」。
2014年の「FIBA バスケットボール ワールドカップ2014」では5位に終わったものの、12年のロンドンオリンピックではスペイン代表として共に銀メダルを勝ち取ったガソルとイバカ。今年はラプターズのチームメートとして、NBAのチャンピオンシップ獲得を見据えていることだろう。
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