2019.07.21
デンバー・ナゲッツとポートランド・トレイルブレイザーズによるウエスタン・カンファレンス・セミファイナルは、第3戦でNBAプレーオフ史上2度目となる4度の延長にもつれ込むなど歴史的なシリーズの1つとなった。
その第3戦で、ブレイザーズが誇るスコアラー、CJ・マッカラムはゲームハイの41得点を奪取。さらに、2勝3敗と追い込まれた状況で臨んだ第6戦では30得点を奪い、第7戦ではゲームハイの37得点をたたき出し、2000年以来初のウエスト決勝へと導く殊勲者に。
特に第4クォーターで見せた働きは見事というほかない。第3クォーターで14得点を挙げたマッカラムは、1点ビハインドで迎えた最終クォーター残り約8分にレイアップを放り込むと、5点リードの残り2分57秒にジャンパーをヒット。
ナゲッツがジャマール・マレーやギャリー・ハリス、ニコラ・ヨキッチのショットで追い上げる中、残り1分25秒にはリードを3点へと広げる貴重なジャンパーをリムに突き刺し、残り約12秒にはトーリー・クレッグを振り切って決勝弾となるプルアップジャンパーを沈めてみせた。
5月13日(現地時間12日)に現地メディア『The Athletic』へ掲載された記事の中で、マッカラムは「僕は大舞台が大好きなのさ」とコメント。そしてこう続けた。
「僕はビッグゲームで自分の名を残すんだ。それこそ、僕がどのようにしてここに来たかを示してると思う。高校(オハイオ州カントンにあるグレン・オーク高校)で重要な役割をこなしてきたし、大学(リーハイ大学)でビッグゲームをプレーしてきた。NBAでも若手として大きな舞台でプレーしているんだ」。
そして「これこそ僕が待ち望んでいるものなのさ。僕は自分のベストなバスケットボールをプレーしているよ」と自信満々に語っている。
一方、バックコートの相棒デイミアン・リラードはこの日ショットが絶不調。今年のプレーオフでは最小となる13得点に終わったものの、8アシスト3スティールに加えてプレーオフでは自己最高となる10本のリバウンドをもぎ取る奮闘で勝利に貢献。
ナゲッツのマイケル・マローンHCはシリーズ終了後、「CJ・マッカラムはなぜブレイザーズがNBAでベストなバックコートの1つを形成しているのかを示していた。彼はチームを背負い、ビッグプレーを何度も決めてみせたんだ」と語り、マッカラムを絶賛している。
ちなみに、第7戦の第4クォーターで、マッカラムはディフェンス面でもビッグプレーを決めていた。残り約5分、リラードがヨキッチにブロックされてしまい、ファストブレイクでマレーがレイアップに向かったシーンだ。
マッカラムはセス・カリーがマレーの走っていくコースに入ってくれたことに感謝しつつ、見事なチェイスダウンブロックを決めたプレーについて、こう振り返っていた。
「ジャマールが僕にとっていいスポットに入り込んできたんだ。だから僕は“レブロンのスタイル”でやってやろうと思ってね。何年か前のファイナルでレブロンが見せたミニバージョンってやつさ。あのブロックはずっと覚えてるんだ。あの写真を手に入れておかなきゃいけないかもね」。
マッカラムが参考にしたプレー。それは16年のNBAファイナル第7戦終盤に、当時クリーブランド・キャバリアーズのレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)がアンドレ・イグダーラ(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)へ浴びせた“ザ・ブロック”だったという。
両チームが89-89と同点のまま、重い展開になっていた場面で、ウォリアーズはファストブレイクのチャンスを得てイグダーラがレイアップでフィニッシュしようとした。だが左後方から超人的なスピードで追いついたレブロンが、見事なクリーンブロックを決めてキャブスの窮地を救い、カイリー・アービング(現ボストン・セルティックス)の決勝3ポイントへとつなげたシーンだ。
マッカラムがマレーをブロックした時、ブレイザーズは4点をリードしていたものの、ナゲッツとしては大きなショックを受けたに違いない。第7戦を語るうえで、マッカラムのブロックも欠かせない勝因の1つだったのではないだろうか。
ここ2戦で平均33.5得点と絶好調のマッカラムは、リラードをはじめとするチームメートたちと共に、15日(同14日)から幕を開けるウォリアーズとのウエスト決勝へ意気揚々と臨むに違いない。
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