2019.06.22
トロント・ラプターズとのイースタン・カンファレンス・ファイナルに2勝4敗で敗れたことで、今季を終えたミルウォーキー・バックス。
惜しくもファイナル進出を逃したものの、今季のバックスはフランチャイズ史上で見ても十分成功したシーズンだったと言えるだろう。
マイク・ブーデンホルザーを新たな指揮官に招へいした今季のバックスはリーグトップの60勝22敗をたたき出し、2001年以来初となるプレーオフのファーストラウンドを突破。ボストン・セルティックスとのイースト準決勝を4勝1敗で制し、イーストの頂上決戦までたどり着いた。
ラプターズとのシリーズでは2連勝から4連敗で終えたものの、「これは我々にとって旅路の始まりなんだ。私はこのチームをすごく誇りに思っている」とブーデンホルザーHCが試合後の会見で口にしたように、バックスは来季以降も優勝戦線に絡んでくることだろう。
今夏のバックスは、来季以降に向けて重要な選択をすることとなる。来季も契約下にある主力はヤニス・アデトクンボを筆頭に、今年3月に4年の延長契約を結んだエリック・ブレッドソーやトニー・スネル、アーサン・イリヤソバ、DJ・ウィルソン、パット・カナトンのみ。
チーム2番手のクリス・ミドルトンはプレーヤーオプションを破棄して制限なしフリーエージェント(FA)になることが濃厚で、ニコラ・ミロティッチとブルック・ロペス、マルコム・ブログドンが制限なしFA、ジョージ・ヒルは来季1,800万ドル(約19億6,200万円)の契約ながら、保障されているのは100万ドル(約1億900万円)のため、トレードの駒となる可能性を秘めている。
そんなバックスにとって、今夏最優先事項となるのはミドルトンとの再契約。攻防両面に秀でたスイングマンは、キャリア7年目の今季初のオールスター選出を果たした実力者であり、バックスにおいてアデトクンボに次ぐ重要な役割を担うキープレーヤーである。
ラプターズとのシリーズ敗退後、ミドルトンは今季について「僕らはすばらしいシーズンを送ったと思う。60勝もして、NBAの歴史上でもベストチームの1つになったと感じているよ。(プレーオフでは)これまで長く苦しんでいたファーストラウンドも突破したんだ。(ファイナル進出という)ゴールまであと一歩まできたんだからね」と手ごたえを感じている。ミドルトンとバックスは相思相愛の関係を築いており、よほど希望する金額に大きな差異がない限り、再契約を結ぶだろう。
現地メディア『ESPN』によると、ミドルトンに次いで優先順位が高いのはブログドンとの再契約だという。高額契約により、来季バックスはラグジュアリータックス(贅沢税)を支払う可能性があるものの、ブログドンを来季以降もキープする意向のようだ。
続いてミロティッチ、ロペスというFAとヒルの年俸が待ち構えているのだが、リーグの情報筋が同メディアへ伝えたところによると、バックスはロペスとの再契約を優先することになると報じている。
ラプターズとのシリーズで、ロペスは平均32.2分15.5得点6.7リバウンド1.7アシスト1.5ブロックをマーク。このシリーズでは3ポイントこそあまり放たなかったものの、チームのシステムにフィットしており、今季をとおして貴重な役割をこなしてきた。
アデトクンボというリーグ屈指のスター選手を擁するバックスとしては、来季こそイーストを制してNBAファイナルへ進出すること、そしてチャンピオンシップを勝ち取ることを見据えているに違いない。
そのためにも、今夏バックスのフロント陣は今後に向けて重要な仕事をこなすことになりそうだ。
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