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6月11日(現地時間10日)、トロント・ラプターズ(3勝1敗)とゴールデンステイト・ウォリアーズ(1勝3敗)による「NBAファイナル2019」の第5戦が、ラプターズのホーム、スコシアバンク・アリーナで行われた。
窮地に追い込まれているウォリアーズは、今年のプレーオフで平均34.2得点を挙げているケビン・デュラントが約1か月ぶりに復帰し、デマーカス・カズンズに代わって早速スターターに名を連ねた。
最初のポゼッションで、ラプターズは早速パスカル・シアカムを送り込み、デュラントとの1対1を仕掛けるも、デュラントがうまく対応し、トラベリングを誘発。するとステフィン・カリーが3ポイントを放り込み、ゲームが動き出す。デュラントもカリーのパスから復帰後最初の3ポイントを鮮やかに決めていく。
ラプターズもマルク・ガソルのショットなどで加点していく中、デュラントがまたもや3ポイントを沈めていくと、クレイ・トンプソンの2本連続3ポイントも決まってウォリアーズ優勢。ラプターズもディフェンスでターンオーバーを誘って追い上げる中、両チームは互いに激しいプレーを繰り出し、第1クォーターでラプターズはカイル・ラウリーとフレッド・バンブリート、ウォリアーズではドレイモンド・グリーンとトンプソンがそれぞれ2ファウル。だがデュラントが3本目の長距離砲を決め切るなど、得点を挙げ続けたウォリアーズが6点リードで最初の12分間を終える。
第2クォーターに入ると、ウォリアーズはトンプソンのロングジャンパーと3ポイント、ラプターズはサージ・イバカがオフェンシブ・リバウンドをもぎ取り、ディフェンダー3人に囲まれながらもショットを決め、ファウルを奪ってフリースロー2本を決めて加点。ウォリアーズはこのクォーター序盤の時点でカリーとトンプソン、デュラントが2ケタ得点をマークし、順調な滑り出しを見せる。
ところが、残り9分46秒にイバカとの1対1からドライブに踏み込んだデュラントがアキレス腱を痛めてしまう緊急事態。1か月以上に渡って戦線離脱してしまった負傷箇所も影響したこともあり、アンドレ・イグダーラの肩を借りてロッカールームへ。カリーもデュラントに付いていき、ベンチへと戻るとチームメートたちへ言葉をかけて鼓舞。
するとこの試合初出場となったカズンズが奮起。リング下で2本連続でショットを成功し、オフェンシブ・リバウンドをもぎ取ると、3ポイントも決める活躍を見せる。残り6分5秒にはカリーがバンブリートの3ファウル目を誘って4ポイントプレーを完遂し、ウォリアーズがリードを13点へと広げる。
だがラプターズも粘り強く食らいついていく。カワイ・レナードのジャンパーやフリースローなどで流れを作っていく。ラウリーがリング下でドレイモンド・グリーンから3つ目のファウルを奪うなど点差を縮めていき、ガソルの3ポイントやフリースロー、シアカムとレナードのショットなども決まって、ラプターズの6点ビハインドで試合を折り返す。
第3クォーターは両チーム譲らずの展開が続く。ラプターズはラウリーのショットにバンブリートのコーナースリー、シアカムがイグダーラ相手にペイント内で加点して追い上げていくも、ウォリアーズはカリーやトンプソン、イグダーラの3ポイント攻勢で応戦。残り7分でウォリアーズがリードを12点へと広げる中、バンブリートの3ポイントやガソルのフリースローなどでラプターズが対抗していく。
ラウリーとガソルが4ファウルになる中、ジョーダン・ベルやケボン・ルーニー、カズンズといった相手ビッグマン相手にラウリーがスピードのマッチアップを突いてリング下で加点し、ルーズボール争いを制すなど自らの仕事を遂行。それでも、カリーとトンプソン、カズンズらがつないだウォリアーズが6点をリードしたまま最終クォーターへと持ち込む。
ラプターズは第3クォーター終了時点でレナードを筆頭にシアカム、ダニー・グリーン、ラウリーの長距離砲がことごとくリムに嫌われてしまい、アウトサイドからのショットが決まらなかった。だがホームの大歓声に後押しされたのか、第4クォーター序盤にラウリーの3ポイントが決まると、イバカのダンクも決まって残り7分59秒で3点差まで追い上げる。
きっ抗した展開が続く中、勝負どころを見極めたレナードが残り約5分から2本の3ポイントにリング下のショット、プルアップジャンパーを放り込み、ラプターズが逆転に成功。残り3分28秒に6点リードを手にしたことで、ラプターズの初優勝が決まったかに見えた。
だが王者は決してあきらめることはなかった。カズンズのティップインダンクがノーカウントになったり、ドレイモンド・グリーンのターンオーバーなどでチャンスを逃す場面も見られたが、トンプソンの長距離砲で3点差に詰め寄ると、残り1分22秒からカリーとトンプソンが勝負どころで貫禄十分の3ポイントを突き刺し、最終スコア106-105でシリーズ2勝目をマーク。ホームのオラクル・アリーナで行われる第6戦へと望みをつなげた。
ウォリアーズでは5本の3ポイントを決めたカリーがゲームハイの31得点に8リバウンド7アシスト、トンプソンが7本の3ポイント成功を含む26得点に6リバウンド4アシスト、カズンズが14得点6リバウンド、グリーンが10得点10リバウンド8アシスト。第2クォーター序盤にロッカールームへと下がったデュラントは11得点を記録。
試合時間残り約3分半で6点ビハインドを背負いながら、カリーとトンプソンによる3本の3ポイント成功で見事逆転勝利したウォリアーズ。スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)が「彼らは信じられない。本当にすばらしい競争者であり、偉大なシューターたちだ」とたたえたように、“スプラッシュ・ブラザーズ”が文句なしの逆転劇の主役を務め上げてみせた。
一方、惜しくもホームで初優勝を逃したラプターズでは、レナードが26得点に12リバウンド6アシスト2スティール2ブロック、ラウリーが18得点4リバウンド6アシスト2ブロック、ガソルが17得点8リバウンド、シアカムが12得点。ベンチからはイバカが15得点6リバウンド、バンブリートが11得点を残した。
シリーズ戦績を3勝2敗としたラプターズは、フランチャイズ史上初優勝に王手をかけたまま、アウェーに乗り込むこととなる。両チームによるシリーズ第6戦は、14日(同13日)に行われることとなる。
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