2023.04.29
8月20日(現地時間19日)、アトランタ・ホークスは、トラビス・シュレンクをバスケットボール運営部門代表兼ゼネラルマネージャー(GM)へと昇格させた。
ホークスで2シーズン同部門を務めてきたシュレンクは、それまでの13年間をゴールデンステイト・ウォリアーズで働いてきた。特に最後の6年間はアシスタントGMを務め、2015、17年にNBAチャンピオンとなった実績を持つ。
一昨季終了後、ホークスはマイク・ブーデンホルザーHC(ヘッドコーチ/現ミルウォーキー・バックスHC)と決別し、ロイド・ピアース新HCの下で再スタートを切った。
昨季はイースタン・カンファレンス12位の29勝53敗に終わったものの、2年目のジョン・コリンズがいずれもチームトップの平均19.5得点9.8リバウンドを記録したほか、将来性豊かなルーキーデュオが及第点を与えられる活躍を見せた。
それが先発ポイントガードのトレイ・ヤングと、59試合で先発シューティングガードを務めたケビン・ハーター。前者はルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)と共に新人王を争い、平均19.1得点3.7リバウンド8.1アシスト、後者は平均9.7得点3.3リバウンド2.9アシストをマーク。
ヤングはオールルーキーファーストチームに満票で選ばれ、ハーターはオールルーキーセカンドチームに選出。ヤングとハーターは、ウォリアーズが誇る“スプラッシュ・ブラザーズ”、ステフィン・カリーとクレイ・トンプソンの小型版と評する者もいるほど、今後の活躍が期待されている2年目デュオである。
9月2日(同1日)に『HoopsHype』へ掲載された記事の中で、ハーターは「(カリーとトンプソンは)間違いなく大きな比較だと思う。でも(GMの)トラビスはNBAが今どのような方向に進んでいるかを見て僕らをドラフトで獲得したんだ。ウォリアーズはフロアにおけるスペーシングと3ポイントシュートこそが、現代NBAで勝利するカギだという青写真を描いた。それこそ、彼がゴールデンステイトでやってきたこと。彼はあのチームを構築する手助けをしてきたんだ」と語っている。
ウォリアーズはカリー、トンプソンに加えてドレイモンド・グリーンという稀代の万能型パワーフォワードを加えて、強固な基盤を作り上げると、アンドレ・イグダーラ(現メンフィス・グリズリーズ)やショーン・リビングストン(現未所属)、そしてケビン・デュラント(現ブルックリン・ネッツ)といった複数のポジションをこなすことが可能な選手たちを獲得し、NBA史上2チーム目となる5年連続のファイナル進出、その中で3度の優勝を飾った。
そして今年のドラフトで、ホークスはウイングのポジションにディアンドレ・ハンターとキャメロン・レディッシュ、ビッグマンとしてブルーノ・フェルナンドを獲得。トレードやフリーエージェント(FA)でオールラウンダーのエバン・ターナー、スコアラーのジャバリ・パーカーをロースターに加えた。ハーターは言う。
「今年、シュレンクは2人のウイング(ハンターとレディッシュ)とビッグマン(フェルナンド)をドラフトした。彼らは多くのことをこなすことができる選手で、長さがあり、ショットを決めることができる。今、多くのNBAチームがウォリアーズに続けとばかりに青写真を描いているけど、僕らはその中で先陣を切っていると思う」。
オールスターの常連であり、7シーズン連続で200本以上の3ポイントを沈めているカリーとトンプソンに対して、ヤングとハーターはルーキーシーズンを終えたばかり。リーグ最高級のバックコートデュオと比較するのはさすがに分が悪いものの、キャリア1年目としてはまずまずの結果を残したと言っていい。
今季のホークスはヤングとハーターの周囲にハンター、コリンズ、センターにアレックス・レンをそろえたスターターで臨むことが予想されているのだが、ベンチにはターナーやパーカー、レディッシュに加えてアレン・クラブ、ビンス・カーターといった選手が控えており、昨季以上の戦力をそろえたことは間違いない。
ピアースHCの下、若手中心の布陣でホークスが2017年以来となるプレーオフ出場を果たすことができれば、大躍進を遂げたチームとして大きな注目を集めることになるはずだ。
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