2019.09.09

ローズがニックス時代を回顧「フィルはトライアングル・オフェンスにこだわっていた」

かつて2016-17シーズンにニックスでプレーしたローズ[写真]=Getty Images
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当時のニックスの問題を明かしたローズ

 NBAにおいて、歴史あるフランチャイズ球団の一つでもあるニューヨーク・ニックス。球団の歴史を振り返った時、2014年から2017年までフィル・ジャクソンが球団社長として在籍していた期間を、ファンはどのように回顧するだろうか。

 ジャクソン氏はかつて、シカゴ・ブルズでマイケル・ジョーダン(元ブルズほか)を、ロサンゼルス・レイカーズではコービー・ブライアント(元レイカーズ)といった歴代のスーパースターを指導してきたヘッドコーチだった。“トライアングル・オフェンス”を長年導入し、11回のリーグ優勝は、歴代の指揮官でもトップの成績となる。

 しかしジャクソン氏は、2014年にニックス球団社長就任以後、現場のコーチや選手たちとのコミュニケーションがうまくいかず、トライアングル・オフェンス導入は失策。2017年にその役職を退いた。

『YAHOO!SPORTS』によれば、2016-17シーズンにエースのカーメロ・アンソニー(フリーエージェント)やクリスタプス・ポルジンギス(ダラス・マーベリックス)らとともに、ニックスの一員として戦ったデリック・ローズ(デトロイト・ピストンズ)が、当時のことを以下のように振り返った。

「フィルのことは好きだったが、“トライアングル(オフェンス)をまだやろうとするのか?”という感じだったよ。彼はそれに強くこだわった。僕はスラッシャー、ドライブを仕掛けるタイプのポイントガード。トライアングルは良しとして、僕たちにはその戦術に必要なメンバーがいなかった。メロ(カーメロ)はそれができなかったし、彼はしたいと思っていなかった」

 またローズは、「フィルは他のことには気をかけなかった。すべてのやり方をトライアングルへと変換し、1年近くそれを続けた」と述べ、「僕らは新たなチームであり、選手たちもコーチたちも新しいメンバーだった。だから何か新しいことに着手する必要があったし、あのオフェンスには時間が必要だった」と、当時の問題点を挙げた。

 時代遅れと呼ばれるようになったトライアングル・オフェンスも、ポストへのエントリーやそこからのカッティングムーブ、バックドアやハンドオフといった多くの基本的な戦術概念をリーグへ浸透させ、事実現代バスケットにおいても、それらの動きが活かされている。しかし今回のローズのコメントのように、当時トライアングル・オフェンスを現代に本格的に導入させるならば、他のアプローチが必要だったことだろう。

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